犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトル犠牲のシステム 福島・沖縄 (集英社新書)
発売日2012-01-17
製作者高橋 哲哉
販売元集英社
JANコード9784087206258
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » エネルギー » 核・原発問題

購入者の感想

ニュースペーパーという社会派の劇団がある。政治家の物まねをしながら,シュールに皆を笑わせてくれる。
一番秀逸なのが,安倍の第一次内閣の頃の物まねなんだが…。
https://www.youtube.com/watch?v=ZChBDYx-354&t=4s

この流れで,小泉さんの物まねがある。
https://www.youtube.com/watch?v=pKQ37qHYoBs

ここで,原発は絶対に安全なんですよ。事故なんて絶対に起こるはずがない。だったら東京湾に作れと言う人もいるが,万が一のことを考えて作らなかったのだ…的な発言をするのだが,その万が一が起こってしまったのが福島原発。
福島は地元の電力ではなく,東京都民のための電力を供給していて,震災でメルトダウンし住めなくなった。なぜ都会には原発を作らないのか…。その理由は,沖縄に米国の基地が集中していることと根っこは一緒なのだ…という本。

日本の東京一極集中があまりにもリスクが大きいので,色々な機関を全国に散らそう…というような動きがだいぶ前にあった気がするが,結局何も変わっていない。これを解決するには,沖縄は日本から分かれて独立するしかない気がする。がそれで生活が豊かになるのかは疑問。

福島の原発の終わりはまだ全く見えない。10万年かかるそうだ(笑)。

福島と沖縄を、「犠牲のシステム」というフレームの中で一緒に論じていいのだろうか?
……これが、この本を見た瞬間、私が抱いた違和感でした。

ところが、いざ読み始めてみると、一つの肉声を聴くようにすんなり読めました。
違和感が消えたのは、著者が福島県出身であるということも一役買っているのでしょう。

本書の約三分の一を占める沖縄についての論考では、特に予備知識がなくても、理解できるように配慮されています。
基地問題の歴史的な経緯や問題点がわかりやすく説明されています。

原発問題の論考では、マスコミがほとんどふれない司法の責任についても書かれています。
最高裁の判事まで原発企業に天下っているとは……原子力ムラの隠された実態をまた一つ見せられた思いです。

思わず冷水を浴びせられた気持になったのが、横須賀に米軍の原子力空母ジョージ・ワシントンが寄港しているという話です。
東京湾には原発が2基あるのと同じだ、と著者は指摘していますが、この事実は、ほとんどの日本人が知らないのではないでしょうか。

高橋哲哉氏は、福島と沖縄は犠牲のシステムであり、差別の構造である、と述べています。
この「犠牲のシステム」には、犠牲にする者と犠牲にされる者とがいる。
「犠牲のシステムでは、或る者(たち)の利益が、他のもの(たち)の生活(生命、健康、日常、財産、尊厳、希望等々)を犠牲にして生み出され、維持される。犠牲にする者の利益は、犠牲にされるものの犠牲なしには生み出されないし、維持されない。この犠牲は、通常、隠されているか、共同体(国家、国民、社会、企業等々)にとっての『尊い犠牲』として美化され、正当化されている」
(このフレーズはp.42をはじめ、何度かくりかえされている)

著者は2つの注釈をつけています(以下は、本書から私がまとめたものです)。

その1つは、この構造は、全く同じというわけではなく、両者には明らかな違いがあるという点。

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