ファシリテーション入門 (日経文庫) の感想

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参照データ

タイトルファシリテーション入門 (日経文庫)
発売日販売日未定
製作者堀公俊
販売元日本経済新聞出版社
JANコード9784532110260
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » オペレーションズ

購入者の感想

「入門」書としては、大変よい出来映えだと思います。
「ファシリテーション」というはやり言葉を知りたくて本書を読みました。「また米国流のはやりのひとつなのか?」と、少し疑ってかかっていました。
本書では、最初に、「なぜこういう考え方が出現したのか」を、「組織論」「戦略論」にからんで、
「リーダーシップ」「マネジメント」との違いを解説してくれており、ここが一番よかったです。
「リーダーの役割は目的をたて、組織の方向性を決めること(Whatを示す)」、
「マネージャの役割は目標を達成すること、それをどうやって達成するか(How)を示すこと」です。
でも、環境変化が複雑さを増し、変化のスピードも加速度的な今日、リーダー、マネージャが組織を引っ張っていくのも困難になってきました。
少数の人間が組織を率いるのが現実に会わなくなってきました。
そこで、個人一人一人が考え、相互作用で物事を組織全体で行っていくことになります。
ところが、個人個人は価値観、意見、バックグラウンドなどがバラバラです。そこで、ファシリテーション(意志決定支援者、創発支援)が注目されることになった、とのことです。
米国は他民族、多人種国家ですし、営利組織だけでなく、非営利組織活動も活発だと聞いていますので、
明確な概念や方法論などが米国から日本にきた背景も納得できます。
ですが、本書を読むと、ファシリテーション、ファシリテーターの必要なスキルは、広くで深く、人間力が必要なようです。
日本も、個人の自由と価値観の多様性が早いスピードで変化していますので、会社だけでなく、地域社会、友人関係など、
ファシリテーションが必要な場面、機会は多いと思いますので、一度は、この分野を整理しておくのも損はない、と考えています。
でも、なんとなく、ファシリテーションの役割は、
「世話人」「まとめ役」など、呼称はなんでもいいのですが、
日本には昔から存在していた、という感じもします。
概念に名前を付け、それを学問的に体系化するのは、やっぱり米国流は上手ですね。
本書に言及されている参考文献も、今後の勉強に役立ちますし、

【概要】
「問題解決や合意形成を促進する技術」としてアメリカで生まれたファシリテーションを、著者は「集団による知的相互作用を促進する働き」としている。単に会議の運営方法にとどまらず、ファシリテーションを組織に働きかけるものとして捉えている。
本書は以下のような内容になっている。
(1)ファシリテーションの技術とは何か
ファシリテーションがもたらす効果として、ア)学習スピードの向上、イ)チームの相乗効果の発揮、ウ)メンバーの自律性の育成が挙げられている。
(2)ファシリテーションの活用分野
ビジネスでの問題解決、組織変革、まちづくり、教育など幅広い範囲に応用可能であることが示されている。
(3)ファシリテーターに求められる4つの技術
ア)場のデザインのスキル、イ)対人関係のスキル、ウ)構造化のスキル、エ)合意形成のスキル、の4つを基本スキルとして定義し、詳細に紹介している。
(4)実践のショートストーリー
ショートストーリーでファシリテーションの実践場面が紹介されている。
(5)章別のブックガイド
本書の章別に参考文献が挙げられている。
【コメント】
訓練されてない者でも一時間半ほどで読了することができる手軽なテキスト。ファシリテーションに関して、最も体系的かつコンパクトにまとまった良書と思う。まさに日経文庫の面目躍如、入門のため教科書としては最適ではないか。ファシリテーションの基本的な要素については十分なものが含まれている。
ただ、日経文庫の紙面の中では語り尽くせなかったり、説明不足になっているような点は、著者の他書「問題解決ファシリテーター」や「ファシリテーションの技術」を参照することが求められる。
特に便利なのが、巻末についているブックガイドで、これから学習を深めようとする者にとっては、非常に便利な参考文献一覧になると思う。
誰にでも薦めることのできる基本書である。

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