満月の夜、母を施設に置いて の感想

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タイトル満月の夜、母を施設に置いて
発売日販売日未定
製作者藤川 幸之助
販売元中央法規出版
JANコード9784805830192
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 詩集

購入者の感想

おんおん泣いたり、じゅわりと下まぶたに涙がたまったり。
正直、やられました……。アルツハイマー病になったお母さんのことを綴った、この詩集。
家族のことを忘れまいと、三面鏡の前で必死に名前を唱えるお母さん……。「アルツハイマーの薬ができたら飲ませたい」と、コツコツお金をためるお父さん……。病気のおかげで、母親と絆の結び直しができたという息子……。
久しぶりに、ステキな本に出会いました。久しぶりに、ずっと手元に置いておきたい本に出会いました。

たくさんの詩のなかから一つだけ紹介します。「扉(とびら)」っていう詩です。

母を老人ホームに入れた
認知症の老人たちの中で/静かに座って私を見つめる母が/涙の向こう側にぼんやり見えた/私が帰ろうとすると/何も分かるはずもない母が/私の手をぎゅっとつかんだ/そしてどこまでもどこまでも/私の後をついてきた
私がホームから帰ってしまうと/私が出ていった重い扉の前に/母はぴったりとくっついて/ずっとその扉を見つめているんだと聞いた
それでも/母を老人ホームに入れたまま/私は帰る/母にとっては重い重い扉を/私はひょいと開けて/また今日も帰る

本の最後には、「母から詩が降ってくる」と題して、谷川俊太郎さんとの対談も載ってます。それと、合間合間に挟み込まれている松尾たいこさんの可愛らしいイラストも、詩をとっても引き立ててます。

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中央法規出版から発売された藤川 幸之助の満月の夜、母を施設に置いて(JAN:9784805830192)の感想と評価
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