基礎電磁気学 の感想

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参照データ

タイトル基礎電磁気学
発売日販売日未定
製作者山口 昌一郎
販売元電気学会
JANコード9784886862297
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 物理学 » 電磁気学・プラズマ

購入者の感想

理学系よりも工学系専攻者を意識した本です。同じシリーズの『基礎からの交流理論』と併せて読むと電検国家試験(一種〜三種)の「理論」対策に役立つかもしれません。いわゆる試験対策本ではありませんが、理論的基礎をしっかり理解していると合格するためだけの試験対策(頻出事項の暗記と過去問対策中心)と違って応用がきくようになると思います。
電検に限らず国家試験の性格上ともすると広く浅くに陥りがちですので、せっかく試験に合格しても往々にして現場で知識が役立たないケースが考えられます。これを補ってくれる書物という意味で資格取得者も一読しておくべき書物かと思います。ただし高専〜大学学部生を意識した教科書なので、基本的な線形代数学(行列や行列式展開など)と微積分(多変数微積分含む)の知識は持っている必要があるので注意して下さい。
また本書の3次元ベクトル解析の記述と式の誘導は丁重ですが、円筒座標系・球座標系の記述は結果しか記されていないので自力で導出するか、他の書物を参照する必要があります。例えば砂川重信 著「電磁気学演習」(岩波 物理テキストシリーズ5)に球座標系の丁重な記述があります。電磁気理論に興味を持たれた方は砂川重信 著「電磁気学」(岩波 物理テキストシリーズ4)または同じ著者の「理論電磁気学 第3版」(紀伊國屋書店)に読み進まれるとよいと思います。この2つは理学系、工学系を問わず電磁気の定評ある書物として有名です。

電気学会より発行されているシリーズです。静電界のクーロンの法則から始まって電磁波まで、電磁気学を一通りカバーできます。
各章末に15題程度の演習問題があり、例題も豊富に用意されています。説明は比較的平易ですので、初めて電磁気を学ぶ方にも役立つのではないかと思います。ベクトル解析についても必要な範囲(div, rot, grad等)は解説されていて、ガウスの法則などは微分形と積分形が併記されています。各法則のベクトル表記も取り入れられています。

ただ、一部説明が不足しているところもあります。ベクトル解析の説明もあるとはいえやはりこれだけでは理解しにくいので、もう少し詳しく説明されている本が欲しくなります。(div, rotなどの定義式を解説するだけで、概念の説明が不足している)
この本より上級のものを参照すると解説されていたりしますので、可能なら併用すると良いかと。

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