有斐閣判例六法 平成27年版 の感想

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2000年版を購入してから、時折購入しています。
装丁が重厚な感じになった時期もあったのですが、現在では、軽い感じになっています。インデックスラベルも以前と同様に付いています。

法令の内容は26年9月1日現在のものになっています。
三省堂の模範六法や模範小六法と比べられる方が多いかと思われますが、模範六法や模範小六法は、行政法総論の判例が無いのに対し、本書の方は行政法総論の判例が掲載されている分、公務員試験やその他の資格試験受験者にとっては使い易いと思います。又、判例百選等に扱われている判例については、そのことも示されており、より詳しい学習をされたい方にとって良いと思います。以前、早稲田経営出版から出されていた国家1種（現在の国家公務員総合職試験）本試験問題集（Wセミナー編・・・現在絶版）では、多肢選択式の民法の解説に、この判例六法が出典として挙げられていたことも有り、今後もこの六法に採録されている判例をチェックしておくことは、法律科目においては有用と思われます。

本年度版では、(新）行政不服審査法、自動車運転死傷行為処罰法を新しく収録しただけでなく、手形法については、参照条文の収録が取り止められているので注意が必要です。その他、新たな工夫として、前年版から本書法令基準日までの間に改正が有った条文の条名（条文番号）に傍線を付し、一目で分かり易いようになるようにされました。又、創刊以来、カタカナで書かれていた法令を平仮名で表示していることも読み易くて良いと思います。

公務員試験やその他の資格試験を受験される方は、本書に挟み込まれている葉書を有斐閣様宛に送られて、追録を受け取られて、それをチェックされると良いと思います。新判例の出題があった場合、この追録に採録されている判例がタネ本になっているのではないかと思われるものが見受けられます（以前の国家公務員1種試験・・・現在の国家公務員総合職試験・・・では、追録をチェックしておけば、その年の出題内容について対応出来る問題が幾らか有りました）ので、購入後は、追録の請求をされると良いと思われます。

　仕事や職場の研修で六法は常に使うのですが、支給品の六法全書（有斐閣）や模範六法（三省堂）よりもフットワークの良い六法が欲しくなり購入しました。
　六法といえば有斐閣と三省堂が双璧をなしていて、判例六法と模範小六法とで迷いましたが…選んだのは判例六法です。理由は次のとおり。

(1)活字が見やすい
　三省堂の六法は、模範六法やデイリー六法もそうなのですが、字体は有斐閣の六法と同じく見出しゴシック・本文明朝体でも、若干活字の線が細くて、疲れた頭で読むには負担を感じます。
(2)判例が青文字
　法令が黒文字、判例が青文字の2色刷りなので、法令と判例を視覚で区別して当たることができますし、青文字を読み飛ばせば「法令を探すときに判例が邪魔」という判例付六法にありがちなストレスを感じずに済みます。ちなみに、模範小六法は黒文字の単色刷りです。
(3)装丁が若干よい
　模範小六法はただの紙ですが、判例六法は薄いコーティングがされていています。もっとも、人によっては「素材の感触を感じられる紙のほうがよい。」という意見もあると思います。
(4)デザインがかわいい
　殺伐としたデスクで使うので、判例六法の色遣いと可愛いデザインには癒されます（笑）。
(5)ボリュームは模範小六法と大差がない
　収録法令と判例数は模範小六法のほうが多い（法令数10、判例数1,143の差がある）のですが、コンパクトゆえに載っていない法令や判例があるというのは判例六法も模範小六法も変わらないので、決定的な差にはならないだろうと思って判例六法を選びました。

　コンパクトな判例付六法を選ぶに当たっては、判例六法と模範小六法は常に比較対象になります。どちらを選ぶべきか…じっくり悩んでください。
　六法は使い倒してナンボなので、ちょっとした違いで使い勝手が変わり、私や他のユーザーのレビューにある長所や短所が入れ替わることなど珍しくありません。できれば書店の店頭で両方とも手に取って開いて中を見て、手触りまでも確かめることをお勧めします（六法の好みは人それぞれで興味深いですよ）。