虹色エイリアン (電撃文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル虹色エイリアン (電撃文庫)
発売日販売日未定
製作者入間人間
販売元KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
JANコード9784048690317
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

3つの中編、1つの短編とエピローグからなり、一つのアパートに並んで住んでいる4人がそれぞれ別の宇宙人と関係する独立したお話ですが、同じ時間のことで互いに繋がってもいます。
アパート2階の左端の部屋に住むのが女子大学生のカナエで彼女が遭遇し同居させるのがとりあえず「カニャエ」と呼ばれることになるカバーの絵の女の子宇宙人、「虹色エイリアン」。カナエが一番普通の人でお人好しで、困難を抱えるカニャエを助ける。
隣が社会人「俺」できちんと通勤しているが家族とも切れ、孤独を好んでいる。彼は拾った犬を経由してメタリックで不定形、いつもは女の体を模している宇宙生物に寄生されてしまう。この宇宙生物は上半身で、分離した下半身に狙われている。この生物が引き寄せる「本体」が2年後に衝突して地球は滅びるそうだ。「俺」は生きる意味を改めて考える。
その隣にはカナエの友人の女子大学生の猿子が居て、ボストンと名乗る地球滅亡の観測者の役割を担う役人宇宙人と一緒になる。迷彩装置の力で他の人間には見えないボストンが、なぜか猿子には見えている。ボストンに認められて地球滅亡時に助けてもらおうと、猿子の生活は少しずつ自律性を取り戻していく。
4部屋目には男子大学生の「僕」が住んでいて、小学生のころに自分は宇宙人だというクラスの「幸長」という女の子との別れ際に砂時計を貰って以来、その「宇宙人 幸長」との再会を待っている。
4編に登場する宇宙人の間の密接な関係は、読み進むにしたがって明らかになってくる。宇宙人同士の接触もあるが、それはわりと淡白。メインは、孤独でモノクロームな印象だったカナエ、俺、猿子、僕の4人が、宇宙人というコミュニケーションも十分は取れない存在と接する中で、他者との関係を見直して生きることにちょっと前向きになる、どこか色が乗ってくるところかと思う。併せて宇宙人の側の心の温度も出会った時と別れる時では大きく違い、確かに高まっている。
孤独でかけ離れた者たちが接触することで生まれ得る、小さな温かみを、なかなかとんでもない設定を楽しみながら感じる、そんな作品だ。
入間人間の本を初めて読んだレビュアーだが、愉快で孤独でじんわり温かいところが気に入った。

奇才・入間人間が久しぶりにイラストレーター左さんと組んでの新刊は身近な宇宙人モノ
入間人間の描く宇宙人(?)はエリオとかヤシロとか割と身近にいるイメージが強いけど
今回はどんな描き方をするのやらと興味深々で拝読

物語はきつい坂道の上にある大学に通う女子大生・カナエが10日も続くひやむぎ生活に
飽き始めた夏のある日から始まる。近所に隕石が二つ、三つ落ちてきたと噂になっている
アパートのカナエの部屋に珍事が起きる。何故かあと10日分ほど残っていた筈のひやむぎが
半分ほど無くなっていたのだ!警戒しながら過ごして三日目の深夜、再びカナエの部屋に
侵入者がやってくる。冷蔵庫の前で揉み合った相手はよく見たら年下っぽい少女。かなり
衰弱している様子の少女を警察に突き出すのもどうかと迷っているうちに少女とカナエの
奇妙な同棲生活が始まるが、言葉もろくに通じない少女の髪は食事をすると虹色の輝きを放ち…

アパートの一室で女の子と宇宙人少女の同棲生活というと随分昔のアニメになるが
「NieA_7」を思い出しますなあ。特に宇宙人が完全な居候状態と言う事でいよいよ既視感が

構成はカナエの住むアパートの二階、四つ並んだ部屋の住人が突然始まった宇宙人との
同居生活に振り回されながら、やがて別れの日を迎えるまでを描くペーソス感が強い
短編集となっている。面白いのはこの短編の三つまでが同じ時間をそれぞれの主人公の
視点で別角度から描いている点かと

第一話のカナエ、第二話のフリーター青年(名前なし)、第三話のカナエの友人・猿子
それぞれが流刑にされた科学者カニャエ(自称)や体内寄生型宇宙人、エビ型宇宙人と
過ごす事になるのだが、第一話のカナエの話で猿子が見せた謎の行動や隣室の青年が
起こす謎のドタバタ音など「一体何が???」となる部分が読み進めて行くうちに
「おお、カナエの話の裏ではこんな事が起きていたのか!」と明らかになっていく構成が
非常に面白く、360ページという比較的厚めの本でありながら読んでいて飽きがこない

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

虹色エイリアン (電撃文庫)

アマゾンで購入する
KADOKAWA/アスキー・メディアワークスから発売された入間人間の虹色エイリアン (電撃文庫)(JAN:9784048690317)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.