理科系のための 英語論文表現文例集 の感想

生命科学系博士課程3回生です．卒業のために論文をパブリッシュしなくてはいけないので，この本を含めた何冊かを買いました．
英語論文を辞書無しで読めるレベルであれば，この本はいりません．論文をざーっと読んで，ニュアンスをまあまあ理解できるならこの本は買わなくて良いでしょう．その場合，この本より何がおすすめかと言われると無い，というのが回答になります．これは！と思う論文や研究者を見つけて，その表現方法を参考にしたほうが良いです．

逆に，英語論文をもっと理解したい，しっかり伝えたいという意欲のある人であれば，この本はすごくおすすめです．そうとう国際意識の高いラボでなければ教えてくれないノウハウがまとめられています．

９１１。とにかく驚きの文例数。ハンパじゃありません。しかも各項目が論文で頻繁に使うものばかり。例えば「意見や考えが異なることを示す」ための文例・表現では、（〜が〜に賛同しない）、（〜の間には意見の相違がある）、（〜は〜に対し〜に関し異論を唱える）、（〜に関して異なる意見がある）、（〜について意見が分かれている）など多様な文例や表現が載っています。さらに、索引はもちろんのこと特に目次が充実していて使いやすい。
同著者の「かならず書ける英語論文」を以前に購入しました。この本で、著者は論文の構成を非常にシンプルに解体し、ヘルプ・シートに従って書けば論文が自動的に仕上がると言っています。試してみた経験から著者の言に同意。この著者の本ということで今回も購入しましたが正解でした。著者は９１１個の文例から、求める文例を探し出す手段としてもヘルプ・シートを使っています。論文を書きながら必要な表現を見つけ出すのが狙いか。著者は非常に合理的な人らしいです。著者の思惑通り、ほしい表現を見つけやすくイライラせずにすみました。スマートな英文が書けない者にとって福音です。