美しい知の遺産 世界の図書館 の感想

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参照データ

タイトル美しい知の遺産 世界の図書館
発売日販売日未定
製作者ジェームズ・W・P・キャンベル
販売元河出書房新社
JANコード9784309255552
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 図書館

購入者の感想

本を納める図書館の歴史は本の歴史でもあります。

当該書籍は、古代から今日に至る「世界の図書館の写真集」であると共に、さまざまにフォルムを変えてきた書籍と書籍を保管し損傷から守る書庫であり、また閲覧する場所でもある図書館、そして、紙(に相当するモノ)、筆記方法(写本、木版・活字印刷)の推移、図書館・天井画等の装飾に隠された意味を明らかにする「図書と図書館をめぐる壮大な文化史・建築史」でもあります。

いくらか引用してみます。

*アレクサンドリア図書館:この図書館はギリシャ世界にあるすべての本を集めることを目的として作られた。建物の中心となるのは学堂、すなわち学術・芸術の神ムーサイを祀った「ムセイオン」だった。この学堂を利用した学者のなかには、エウクレイデス、アルキメデス、エラトステネスなどがいた。学者たちは食事と住居を与えられ、図書館はいつでも自由に利用できた。ヘブライ語の経典を初めてギリシャ語にした「七十人訳聖書」はこのアレクサンドリア図書館で編纂されたといわれている。(p45)

*印刷の誕生:紀元1011年、グーテンベルクより440年早く、韓国には木版印刷が存在した。このことからも、同時期のヨーロッパにくらべて、中国、日本、韓国の技術と文明がいかに洗練されていたかがうかがえる。高麗八萬大蔵経はそのひとつの例証である。(p65)

*東アジアの蔵書コレクションの規模:活版と紙を用いるようになってから、東アジアの図書館の規模が大きくなったことは疑いの余地がない。(略)藤原道長(966-1028)が2000冊におよぶ蔵書のために書棚を作らせ、一方、高名な儒学者の大江匡房(1041-1111)は1万冊の本をもっていたといわれる。それらの本は専用に建てた文庫、江家文庫に収められたが、1153年に消失した。(p68)

 週刊現代のグラビア記事で本書のことを知り、早速アマゾンさんで調べましたが、定価が8800円(税抜)とかなり高価、
 さんざん迷いましたが、清水の舞台から飛び降りるつもりで・・・少し大げさですか?・・・購入しました。
 ブルータス、その他の雑誌で、その一部は知っていましたが、こうして1冊にまとめられると壮観です。
 序文に続き、古代世界の図書館から、電子書籍の時代の図書館まで188館が、編年順にオールカラーで紹介されています。
 中世の図書館では、唐招提寺教蔵、三井寺一切経蔵 八角輪蔵、など我が国のものも紹介されています。 
 16世紀の欧州の図書館、当時の本が羊皮紙の手書きの写本で、非常に高価そして、貴重だったため、鎖でつながれています。
 17世紀の図書館、エル・エスコリアル修道院図書館、書庫も素晴らしいですが、壁画、天井画、これらの見事さは・・・・・・
 ストラホフ修道院図書館、天井のフレスコ画が見事です!! 
 時代は下りまして20世紀の図書館です。 中之島図書館が紹介されています。ここなら私も学生時代よく利用しました。
 司馬遼太郎記念館も紹介されています。安藤忠雄先生の設計です。元々は全て個人の蔵書ですから、スゴイですね!!
 ホセ・バスコンセロス図書館、書庫が天井から吊り下げられていて、SF的な光景です。
 文章が拙く、本書の素晴らしさがあまり伝わっていないようで、非常にもどかしさを感じます。
 本好きの人は、立ち読みでもいいですから、一度この本を見てください。
 と言ってもかなり重量感がありますから落とさないよう気を付けてください。きっとこの本の虜になると思います。

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