マイナス50℃の世界 (角川ソフィア文庫) の感想

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参照データ

タイトルマイナス50℃の世界 (角川ソフィア文庫)
発売日2012-01-25
製作者米原 万里
販売元角川学芸出版
JANコード9784044094430
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

 56歳にして亡くなった米原真理氏の幻の処女作とのこと。私は本文を読む前に、表紙の彼女の写真、睫毛を凍らせた若々しい姿をつくづくと眺めながら、TBS 「ブロードキャスター」のコメンテイターとして、的確にして極めて真っ当な意見を、ちょっと恥ずかしそうに述べていた彼女の姿を思い出していた。ああ、私達は本当に惜しい人を失くしたものだ。
 私は彼女の本は殆ど読んだ。時に辛辣、時に下ネタで笑わせる、しかし、どれも温かで、彼女の誠実な人柄が伝わってきて面白かった。どれもお勧めだが、敢えて彼女の代表作を選ぶとすれば『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』『オリガ・モリソヴナの反語法』『打ちのめされるようなすごい本』の4つだろうか。私はこの4作はそれぞれ二度読んだ。
 そんな彼女の「幻の処女作」をどうして読まずにいられましょうか。
 正直、内容は薄い。それはこの本が本来子供向きに書かれたものであるから致し方ない。だから万人にお勧めすることは出来ない。しかし私達米原真理ファンは、この本の後彼女が歩んだ道を思い、その道に沿って生きようと決意し直すことは出来る。
 繰り返すが、私達は本当に惜しい人を失くした。

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