事故がなくならない理由(わけ): 安全対策の落とし穴 (PHP新書) の感想
参照データ
タイトル | 事故がなくならない理由(わけ): 安全対策の落とし穴 (PHP新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 芳賀繁 |
販売元 | PHP研究所 |
JANコード | 9784569808260 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 |
購入者の感想
産業心理学、交通心理学、人間工学を専門とする著者の本。
タイトルはともかく帯が秀逸です。
「高い防潮堤が津波の被害を大きくした?!」
「低タールの「軽い」たばここそ、危険!」
これらに引き寄せられるように本書を手にしました。
帯のようなことがなぜ起こるのか、本書はその疑問に答えてくれます。
話の中核は「リスクホメオスタシス理論」。
大雑把に説明すると、安全対策がとられて安全性が増した場合、
リスクが減った分(余裕ができた分)、その範囲で新たにリスクをとって、
効率性や快適性を高める目的に転用してしまうのでリスクが減らないという話です。
しかしこの説は安全対策の無意味さを意味するものではなく、
例えば工学的対策をとった場合、どのような人の行動変容が起きるのかを想定せよ、
といった警鐘でもあり、また安全への動機づけを高めることの大切さを説くものでもある。
本書はあとがきで著者も触れているように欲張りすぎたためか「総花的で散漫」なところもあるが、
安全対策について興味のある読者にはよい入門書となっているのではないかと思います。
タイトルはともかく帯が秀逸です。
「高い防潮堤が津波の被害を大きくした?!」
「低タールの「軽い」たばここそ、危険!」
これらに引き寄せられるように本書を手にしました。
帯のようなことがなぜ起こるのか、本書はその疑問に答えてくれます。
話の中核は「リスクホメオスタシス理論」。
大雑把に説明すると、安全対策がとられて安全性が増した場合、
リスクが減った分(余裕ができた分)、その範囲で新たにリスクをとって、
効率性や快適性を高める目的に転用してしまうのでリスクが減らないという話です。
しかしこの説は安全対策の無意味さを意味するものではなく、
例えば工学的対策をとった場合、どのような人の行動変容が起きるのかを想定せよ、
といった警鐘でもあり、また安全への動機づけを高めることの大切さを説くものでもある。
本書はあとがきで著者も触れているように欲張りすぎたためか「総花的で散漫」なところもあるが、
安全対策について興味のある読者にはよい入門書となっているのではないかと思います。
地震津波や原発事故の最新のこと、また、大半は交通事故について書いてある。
昨年〜今年にかけて起きた重大交通事故にも少し触れてあった。
安全工学とか人間工学・ヒューマンエラー、安全装置を付けると人は安心して油断するなど。
人が思う(メディアが取り上げる)危機意識と、実際の事故(死亡)の割合のギャップなど。
予防的事故安全の立場で、安全対策が作る罠をひもとき、最近の事情もとらえているので、
事故予防を考えられている方には興味深いと思った。
本書を読んで一つ疑問に思ったことは、自動車運転教習と事故の割合について。
欧米において、家族や知り合いが運転を教えた方が、教習よりも事故が少ない統計になっている。
ある意味、運転教習の無力さを感じたが、この自動車運転教習と、プロのパイロットや鉄道運転士のトレーニングとの違いを解説してほしかったと思う。
安全対策は人の油断を生むことある・・・これを気付かせる一冊でした。
昨年〜今年にかけて起きた重大交通事故にも少し触れてあった。
安全工学とか人間工学・ヒューマンエラー、安全装置を付けると人は安心して油断するなど。
人が思う(メディアが取り上げる)危機意識と、実際の事故(死亡)の割合のギャップなど。
予防的事故安全の立場で、安全対策が作る罠をひもとき、最近の事情もとらえているので、
事故予防を考えられている方には興味深いと思った。
本書を読んで一つ疑問に思ったことは、自動車運転教習と事故の割合について。
欧米において、家族や知り合いが運転を教えた方が、教習よりも事故が少ない統計になっている。
ある意味、運転教習の無力さを感じたが、この自動車運転教習と、プロのパイロットや鉄道運転士のトレーニングとの違いを解説してほしかったと思う。
安全対策は人の油断を生むことある・・・これを気付かせる一冊でした。