零崎双識の人間試験 (講談社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 零崎双識の人間試験 (講談社文庫) |
発売日 | 2011-12-15 |
製作者 | 西尾 維新 |
販売元 | 講談社 |
JANコード | 9784062771214 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » ミステリー・サスペンス・ハードボイルド |
購入者の感想
04年02月のノベルスの文庫化.さらに辿れば02-03年にWeb上にて連載されていた作品で,
『戯言シリーズ』のスピンオフ,このあと『人間シリーズ』として続く一作目になります.
時系列としては『クビシメロマンチスト』の頃で,そちらを知っているとさらに楽しめます.
登場人物,異常な世界,その価値観,さらには乱れ飛ぶ血肉など残酷な描写がかなり多く,
一見,異能バトル物のようにも思えますが,プロローグでの屁理屈にも思える長い語りなど,
生と死,善と悪,家族や兄弟愛など,著者の哲学のようなものが見え隠れするのが印象的です.
とはいうものの,説教じみた辛気くさい内容なのかと言えば決してそのようなことはなく,
バトル部分はいささかくどい面もありますが,三人称視点を中心にしたこまめな場面転換や,
繰り返しやパロディなど,今やおなじみの言葉回しはエンタメ作品としても十分に楽しめます.
また終盤,物語の背景が明らかになっていく様子は,スピード感に満ちてどんどん引き込まれ,
そこからの二転三転,挙げ句,どこまでが真実かという強引さにもむしろ気持ちよさを覚えます.
かと思えば,男が覗かせる本音や言動,彼の操るアイテムに込められた意味などグッとくる場面も.
著者のキャリアからすると初期の一冊にあたり,最近知られた方にはまた違ったおもしろさが,
『戯言シリーズ』のスピンオフ,このあと『人間シリーズ』として続く一作目になります.
時系列としては『クビシメロマンチスト』の頃で,そちらを知っているとさらに楽しめます.
登場人物,異常な世界,その価値観,さらには乱れ飛ぶ血肉など残酷な描写がかなり多く,
一見,異能バトル物のようにも思えますが,プロローグでの屁理屈にも思える長い語りなど,
生と死,善と悪,家族や兄弟愛など,著者の哲学のようなものが見え隠れするのが印象的です.
とはいうものの,説教じみた辛気くさい内容なのかと言えば決してそのようなことはなく,
バトル部分はいささかくどい面もありますが,三人称視点を中心にしたこまめな場面転換や,
繰り返しやパロディなど,今やおなじみの言葉回しはエンタメ作品としても十分に楽しめます.
また終盤,物語の背景が明らかになっていく様子は,スピード感に満ちてどんどん引き込まれ,
そこからの二転三転,挙げ句,どこまでが真実かという強引さにもむしろ気持ちよさを覚えます.
かと思えば,男が覗かせる本音や言動,彼の操るアイテムに込められた意味などグッとくる場面も.
著者のキャリアからすると初期の一冊にあたり,最近知られた方にはまた違ったおもしろさが,