知識ゼロからの西洋絵画史入門 の感想

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参照データ

タイトル知識ゼロからの西洋絵画史入門
発売日販売日未定
製作者山田五郎
販売元幻冬舎
JANコード9784344902268
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

まるで絵画の作品集のようで文字情報は少なく、作品の掲載は実に多く、頭で理解するのではなく、作品を見比べることで西洋美術の個性や特徴をしってもらうという意図で作成されているように感じました。
テレビでお馴染みの山田五郎氏のコメントも興味深いものでした。似顔絵のキャラクターが適宜作品の横で語っており、分かりやすさで言えば申し分ない入門書でしょう。

オールカラーでだいたい見開き2ページで一つのテーマを紹介してあり、1ページあたり3点ほど作品が掲載してあるので、収録点数の多さもまた本書の特徴です。巻末に「ざっくり西洋絵画史年表」があり、美術史の中での画家の位置づけや流れがおおまかに整理されていました。登場したページも掲げてあるので逆引きのような使い方もできるでしょう。

入門と言いながら、21ページでは「西洋絵画史を変えた12人の隠れた偉人」としてマサッチョを「臨場感あふれる『空間』を描いた偉人」と紹介してありました。15世紀前半の初期ルネサンスの画家で「27歳で夭逝した」こともあり、あまり知られていませんが、「自らの影で病人を癒す聖ペテロ」の奥行きある描写は才能の煌めきを感じました。

ファン・エイクの「緻密なディテール描写」では「一日中見ていても飽きない細部描写」と評していました。
先年目の当たりにしたパルミジャニーノの「アンテア(貴婦人の肖像)」も掲載してあり、「劇的すぎる演出」では、レンブラント、カラヴァッジョ、ルーベンスの大作が一堂に並べらており圧巻でした。
「日本をとらえる」ではゴッホ、モネ、マネなど印象派の画家がいかに浮世絵の影響を受けていたかを語っています。美術愛好家には良く知られていますが、入門編には欲しい導入部分でした。

「死と幻想」ではルドンの「キュクロプス」があり、象徴主義ではロセッティ、モリス、モローの美しい女性が勢揃いしています。実に幅広い絵画ジャンルを丁寧に取り上げ、しっかりと解説してある良書です。とても気に入りました。入門編ですが、多くの絵画芸術を見てきた方にも安心してお勧めできます。

幻冬舎がこれまで西洋美術の本を沢山出版してきたのかは知りませんが、見せる工夫は流石でした。

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