シェール革命後の世界勢力図 の感想

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タイトルシェール革命後の世界勢力図
発売日販売日未定
製作者中原 圭介
販売元ダイヤモンド社
JANコード9784478025062
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » 世界

購入者の感想

私の知る限り、経済予測の適確さに関して中原圭介氏の右に出るエコノミストはほとんどいない。稀有な存在だと思う。まだ6年前のことなので鮮明に覚えているが、2007年前半当時、米サブプライムローン問題を重大視していたエコノミストは少数派だった。ほとんどのエコノミストが「大した問題ではない」と楽観視していた。悲観的な予測を出し始めたのはマーケットが大きく下落し始めてからのことである(それなら誰でもできる)。しかし、中原氏はまだマーケットが堅調に推移している頃から、「この問題は大変なことになる。マーケットは大暴落する」と警鐘を鳴らしていた。そしてまさにその通りの結果となった。そのことが強く印象に残っており、その時から彼の言説には注目している。

最近も「2013年9月にFRBは金融緩和縮小をしない」という予測を出していたが、大方の予想を覆してその通りの事態となり、誠に恐れ入ってしまった。

そんな中原氏がこの著作においても色々と予測を出している。主なものを挙げると、
●「シェール革命」により、アメリカ経済は早ければ2014年にも完全復活する。
●2017年までにはアメリカが世界最大の資源国になる(これは国際エネルギー機関の予測でもある)。
●世界的なエネルギー価格の長期的な下落を予見させる連鎖現象が2012年から少しずつ表れてきている。
●原油価格が1バレル150ドルに迫るような場面は二度と訪れないだろう。
●「シェール革命」はあらゆる食料品の価格を下げて消費者に恩恵をもたらす。
●アメリカはデフレの状況で景気回復を達成することになる。
●資源価格の高騰に依存してきたロシア経済の凋落が始まる
●同じくブラジル経済も、資源価格が下落すれば借金依存型の国内経済が回らなくなる。
●インフラが弱いインドは他に色々問題はあっても「シェール革命」の恩恵を受けられる。
●中国の実質経済成長率は5%を下回っている可能性があり、今後GDPでアメリカを抜くことは決してない。
●銀行、国家、家計の三重のバランスシート不況に苦しむ欧州経済は2020年になっても本格的な回復はできていないだろう。

増田悦佐さんの「中国自壊」にも書かれていたが、中国は格差拡大による政権崩壊リスクが高まっている。
信頼できる統計から中国は5%も成長できていないことを導き出しているのが目から鱗だった。
ケインズ政策の失敗が中国経済を悪くしたことをあげ、日本のリフレ政策の危うさを説いているところも興味深い。
なおブラジルはオリンピックまで経済がもたないというから、これからの新興国経済はやばいのだそうだ。

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