史上最強の弟子 ケンイチ 56 (少年サンデーコミックス) の感想

56巻ともなれば、よもや１話も読んだことのない方々がこのレビューを見ることはありますまい。という前提で。

我々は１巻から55巻までのあいだに、主役側と敵役による達人同士の戦闘シーンを何戦も観てきた。
あるときはギャグの一環かと思うほどのあっさりとした圧勝。あるときはこれは漫画だと分かりつつも心が震えるほど熱い一戦。
一読者として愛着の沸いてきた師匠がライバルとの戦いの決着でいったん死んだシーンすらあった。

けれども、「これは少年漫画なんだから」という気持ちからか、不安になることは正直１度もなかった
（アーガード戦で、なんだかんだいってアパチャイ死なないんでしょ~という予想ができてたくらい）。

熱い戦闘シーンもあるけれど、作品全体をライトな雰囲気が包んでいたからなんだと思う。日常生活パートとか。
56巻も、前半は「これから大変なことが起こるぞ」と言いながらも今まで通りのギャグ含みな展開。
そして、後半に入っていきなりの圧倒的な絶望感！
今度こそ、１巻からいたレギュラーキャラの誰かしらが死ぬ未来しか予想できない！

55巻での田中さんの死は、あるいはこの強烈なショックに耐えられるように読者を慣らす意味もあった？
と考えてしまうほどの全方位で不利な状況が、一気に展開！
今まで闇の人たちがなんでこの手で来なかったのかが不思議なくらいあっけない日常破壊！
魔王がこの手段をとるならドラクエはクリア不可能なゲームになる、そんな展開！
こういうカタルシス？感じさせる展開、好きよ。作者先生はどうやって収拾つける気なんだろう？
ど、どうなっちまうんだ！？　ッてところでこの巻は終わり。次巻予告も死亡フラグが散りばめられてて泣きそう。早く57巻をだな…。