リスクを取らないリスク の感想

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参照データ

タイトルリスクを取らないリスク
発売日販売日未定
製作者堀古 英司
販売元クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
JANコード9784844373759
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 金融・ファイナンス

購入者の感想

この本に直接書かれていることではありませんが、
この本を読んで一番考えたのは、
「日本の根っこにあるのは社会主義的平等」
ではないか、ということです。

いわゆる資本主義的な社会では、
この本にも書かれているように
「リスクプレミアム」という概念があって、
リスクを取った人には、それ相応のリターンが
もたらされるべき、という考えに沿って
多くの方が行動する、リスクを取る、ということをします。

株式投資などのリターンも、
このリスクプレミアムという考え方を
具現化したものですね。

しかし、日本で未だに根強いのは、
リスクを取ろうとする人の足を引っ張る、
更には「自分も我慢しているんだから、お前も我慢しろ」
という、決して資本主義的な平等ではありません。

資本主義的平等というのは、
FXで言うと、人それぞれ掛けられるレバレッジが違う、
(ある意味、機会の平等)という状態で、
それ相応のリターンを、人それぞれが得られる
(結果の平等)というものですが、

日本に蔓延っているのは、
それぞれ異なる初期条件を個人が上手く使う、
という「機会の平等」ではなく、

「自分と同じことをして同じ結果を手に入れよ」という、
社会主義的色合いが濃い「平等」ではないか、と思います。

(この「資本主義的平等」と「社会主義的平等」という言葉は
 この本で出てくるものでもなんでもなく、私の造語です)

この本を読んで、上記のようなことを考えたわけですが、
こういう状況なので、個人でこっそり、好き勝手にリスクを取って
勝手にリスクプレミアムも頂く、という風に
生きていくのが、日本人として生きていく最適解なのかな、と思います。

一生足の引っ張り合いに巻き込まれて生きていくのは、御免ですからね。

本のタイトルからは、つい「安住に甘んじずチャレンジし、成功を勝ち取るのだ!」的な自己啓発の響きを感じてしまう。しかし読んでみると、拍子抜けするほど精神論やキレイゴトは一切登場しない。
その代わりに徹頭徹尾、為替や国際金融、個人の資産運用、日本の景気対策等、マネーの最先端国家であるアメリカNYで長年ファンド会社を経営されている知識量と経験値そして直観のようなものが、ありありと穏やかな語り口のなかに宿る自信と説得力をもって読者を読み進めるほどのめり込ませ、だけでなく着眼点や行動指針を授けてくれる。
今の日本の状況分析や今後の展望、それに対してとるべく妥当な対策等、個人資産の運用としてだけでなく、国家間レベルの栄枯盛衰を、経済や金融に門外漢の私にも「そういうことだったのか!」と、たとえ話や重ね重ねを通じ、極めて分かり易く教えてくれる。自社のファンドを宣伝する記載はたった数行だけ巻末近くのP225に登場するが、それも辟易とする印象はなく、それ以外の方法もいくつか紹介されているなかでのひとつに留まっておりむしろ好感が持てる。
本書に再三登場するフレーズは主に三つあって、まずはタイトルである『リスクを取らないリスク』、ふたつ目は『株式投資は長期的な視点が有利』、そして『人間はリスクを回避したがるもの』。この三点を常日頃から念頭に置き、個人資産の運用だけでなく、自分の人生設計を、より冷静で実りあるものとしていきたい。

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