日本の感性が世界を変える: 言語生態学的文明論 (新潮選書) の感想

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参照データ

タイトル日本の感性が世界を変える: 言語生態学的文明論 (新潮選書)
発売日販売日未定
製作者鈴木 孝夫
販売元新潮社
JANコード9784106037566
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 言語学 » 言語学

購入者の感想

著者は若き日に医師を志したが、教養部時代に学んだ言語学に魅せられ、ついに一生を社会言語学に捧げることになった言語学者である。
本書の魅力は言語学を基礎にしたゆるぎない日本文化への自信であり、今の地球が直面する危機的な諸問題を解決するために、米国主導の白か黒かの二者択一ではなく、いわば第三のグレイゾーンを意識的に残しつつ解決する方法ー日本文化の特徴ーを全世界にアッピールする必要性を熱く語る。地球の将来の再生保存に向けて、わが国江戸時代の循環型社会を大きく評価し、欧米語に比して日本語の持つ優れた特徴ーヒトの思考や行動を柔らかくする機能ーを言語的に提示する。明治期以後のわが国の急速な近代化の成功は、日本語の持つ柔軟な長所に大きく依存することを例証する。さらにヒト以外の生物が、外形を大きく変えることで環境に適応しているのに対し、ヒトは言語の鎧を緩衝衝撃装置としてまとって外界の変動に対処していると言う。誠に興味深い指摘である。

本書は、あちこちに書き散らした短文を寄せ集めて並べ直した最近よくある安直な作りの本ではない。今や珍しくなった書き下ろしである。内容は、過去に鈴木先生が『ことばと文化』、『日本人はなぜ日本を愛せないのか』、『閉ざされた言語・日本語の世界』、『日本語と外国語』などで展開された「鈴木理論」のエッセンスをまとめた文字通り「鈴木言語学の集大成」という仕上がりになっている。

本書は大別して二つのパートに分かれている。前半は文明論である。全編、非白人国ながら白人の悪辣なる世界支配の野望に真正面から戦いを挑み、植民地にならず独立を維持し、日清・日露の戦いを勝ち抜き、太平洋戦争では一敗を期したものの、その結果として、アジア、アフリカ、中近東の欧米諸国の植民地は雪崩を打って崩壊。要するに「世界中の有色人種を白人による植民地支配から解放したのは、同じく有色人種ながら欧米とガチンコ勝負して堂々と闘い抜いた我が偉大なる日本民族の姿を世界中の有色人種が仰ぎ見たからである」という、石原慎太郎が泣いて喜びそうな話が延々と展開されている。ここで石原慎太郎をわざわざ持ち出さなければならないことに、戦後の日本の言論空間が如何にドサヨクどもに支配され歪み、日本人が日本人としての誇りを持つことを如何に妨げてきたかが象徴されている。

日本人は、もっと自信を持って良い。誇りを持って良い。堂々と白人を見下して良い。それだけの能力を持っているのが日本人であり、それだけの成果を歴史的に成し遂げてきた奇跡のような国家であり、現に戦争に敗れてはみたものの不死鳥のように復活し、世界でもまれにみる豊かで、格差の無い、ストレスの少ない繁栄した国家社会を築き上げているではないか。正に鈴木教授が何度も本書で書いている通り「終わり良ければすべて良し」なのである。日本には中国のスパイ、北朝鮮のスパイ、韓国のスパイ、ロシアのスパイが今もわんさか白昼堂々活動を展開している。こいつらは政治家、官僚、教師、ジャーナリストに化けて日本社会のあちこちに潜み、あらゆる手段を講じては日本人から自信と誇りを奪おうと必死の活動を展開してきた。こうして日本は戦後長らく、まるで「決して消し去ることのできない重い原罪を背負った犯罪者集団」であるかのごとき国であると長らく教えられてきた。

日本人なら必ず読んで欲しい、実に優れた感動的な本である。

日本語の言語としての優秀性、日本文化の世界における貴重さをこれでもかとばかり論証している。

とくに歴史的、生態学的視野からの裏付けが極めて説得的である。

日本人としての誇りと使命を実感させてくれた鈴木孝夫先生には深い感謝の念を捧げたい。

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