日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか の感想

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参照データ

タイトル日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
発売日販売日未定
製作者矢部 宏治
販売元集英社インターナショナル
JANコード9784797672893
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 日米安全保障

購入者の感想

沖縄の基地問題に関して興味があって読んでみた。
原発に関しての部分は、エビデンスに欠け、後で付け足しただけなんかなという印象。
憲法9条2項と沖縄の軍事基地化の関連、日本とはそういう国だったんだなと考えさせられる。

私たち若い世代、これからの日本の運命を担う世代は絶対に読むべき本です。

著者は、ベストセラーの孫崎亨著『戦後史の正体』(創元社)など「戦後再発見」双書の編集者である。これらの双書も十分すぎるほどのインパクトがあったが、本書は編集者自らが、戦後史の先行研究の数々をジグソーパズルのピースを集めるように、隠蔽された戦後史を再現し、分かり易く解説したものである。本書には、基本的には「新発見」は含まれないものの、全体像が明確になることでこれまでの戦後史に関するどの本よりも強い衝撃を与える本となった。評者は、本書で知った隠蔽された戦後史に関して、隠蔽の主犯である政治家・官僚・マスコミ・御用学者に強い怒りを覚えるとともに、沖縄を始めとする基地周辺住民や、福島を中心とする原発事故被害者の怒りと悲しみを改めて共有したいと痛感する。そして、戦後70年はあまりに長いが、本書のように真実を知ることそのものが次の希望につながることを確信する。

著者は、『戦後史の正体』の発刊後、読者から著者に届いたメールにあった、「3・11後、日本人は大きな謎を解くための旅をはじめた」というメッセージに感銘を受けたという(はじめに)。同感である。福島原発事故は、戦後日本の隠された支配構造を顕わにした。沖縄で進行中の、辺野古への基地移転反対運動も同様である。本書は、この「基地」と「原発」を手掛かりに、隠蔽された戦後史を白日の下に晒し、次に目指すべき目標を探し出す、旅の記録である。

PART

良くも悪くも、1945年8月15日から全てが変わってしまった。
あの世界戦争に負けて、大日本帝国の終わりと同時に、独立国家「日本」は完全に終わった。
その後のGHQの占領政策により、戦勝国の都合の良いように、日本の国体と日本国民の精神が、根本的に改造された。

当初、米国は米軍基地を日本に残すつもりはなかった。そんなおかしな独立国家などありえないと、紳士的に考えていた。
ところが朝鮮戦争が起きてしまった。米軍基地の完全撤退計画は消えた。そこには昭和天皇の御希望があった。これも意外だった。
でも当時は共産主義拡大の恐怖が凄かった。朝鮮戦争さえ起きなければ。「歴史に“if”は無い」とはいうけれど。

そうして日本は、日米安全保障条約などの「条約」が最も重視され、最高法規である自国の憲法がその下にあるという、
基本の狂った国家になった。同盟国の都合の前では、三権分立すら機能しなくなる。もはや法治国家ではない。
基地や原発に関わる裁判での、到底腑に落ちない、論理の崩壊した、理不尽な判決の数々がその証だ。

そして、国連憲章にいまだに残る「敵国条項」により、日本は常に、喉元にナイフを突き付けられている。

日本が独立国家として真に自立し我が道を行けば、戦勝国がすぐ滅ぼしにやって来る。そういう決まりになっている。
これまで日本がどれほど大金をばら撒き、どれほど国際貢献をしていようとも、そういう決まりになっている。
日本の我が儘(戦勝国側にとっての)は決して許されない。それが戦後の世界システム。今の世界を支配しているルール。
近ごろ盛んな「TPP」交渉の行方も、最終的にはこのシステムの下に支配されていると考えるほうが自然だろう。

この「敵国条項」を国連は削除できるか? 常任理事国の中の反日的な国家がこの削除に賛成するとは到底思えない。

これが、戦後から今も続く日本国が置かれている悲しい現実。
著者は、なんとかこの状況を変えたい、行動する日本国民の原動力になりたいと本書を書いた。

日本人であるなら、必読の本です。問題の本質を丁寧に教えてくれます。この本を読み終えた後、私は近所の民生委員さんに「是非読んで下さい」と渡しました。原発反対&有機栽培を応援している団体の組合員なので、イベント担当者にこの本に関する講演会や座談会の開催を要望しました。ただの主婦ですが、これ位のことはできました。誰にでもできることが一つ位あるものです。前に向かって進むうちに、正しい答えが見えてくることもあると思います。何もしないという大罪を犯したくありません。

日本人で選挙権を持った成人であるならば、政治家は誰に入れても結局同じ…
と、日本の政治・民主主義について悲嘆に暮れたことが一度はあるのではないだろうか。

また、自分が期待し投票した政治家がいざ当選し国政の場に立つと
態度を翻し、議員になる前に主張していたことがすっかり鳴りを潜めてしまい
その態度に落胆させられてしまうといったことを経験した人も多いのではないだろうか。

本書は、戦後日本がアメリカとの間で結ばされた数々の条約などの内容について真実を暴露した衝撃の本となっている。
この本を読めば、先に提示した内容がどうして起こるのか一瞬で疑問が氷解するであろう。
詳しい内容は、既に他のレビュアー諸兄が詳しく書いているので当方で書くことはことさら無いが
この内容を平易な文章で出来るだけわかりやすく書いている、その筆力・構成に脱帽である。

日本に住んでいながら、アメリカ軍が大手を振って日本国民以上の厚遇を得ているのはなぜなのか。
その事実の背後にある事情を知った時、怒りに打ち震えるのと同時に、余りにも強大な相手が
裏で全ての糸を操っていることに、虚無感を感じる人も多いかもしれない。

それでも、これらの事実を全く知らずに生きていた自分にとっては非常に得るモノが大きく
無知であることは罪であることなのだなと改めて感じた。
ネット上では、政治に関する様々な意見が氾濫し、隣国に対するバッシングなどの意見を最近は良く見るが
そんなことよりも、まず自国の現状を殆どの日本人が把握していないことに対して、個人的には
強い危機感を覚えるものであり、本書が多数の日本人の覚醒の書になってほしいと願って止まない。

ソフトカバーで1200円という手頃な値段で、内容は非常に充実した一冊。
日本の政治に興味がある…否、興味が無くとも日本人であるなら必読の一冊であると強く感じる。

表紙はあまりに素っ気なくて、「?」と思ったが、一言、素晴らしい本である。

日本人であれば誰でも疑問に思っているであろうことを、その根源に遡って読み解き、極めて分かりやすく解説している。全ての日本人が知るべき、知らなければならない、現在の日本の置かれた状態を理解するための極めて重要な事実が列挙されている。

「基地」に関して言うと、米軍基地について詳しく定めた日米地位協定によって在日米軍にはいわゆる「治外法権」が認められていることはすでによく知られているが、日米地位協定の運用について毎月話し合う「日米合同会議」と呼ばれるものの存在は衝撃だった。官僚のトップ達と在日米軍のトップ達が毎月顔を付き合わせて話し合い、そこで屈辱的な妥協を、さも当たり前のよう繰り返すのである。さらに、ここに出席していた官僚はその後、目覚ましい出世をすることになっているというのだ。官僚がアメリカに頭が上がらないのは当然のことである。政治家がいくら米軍基地を追い出そうとしても官僚が全く言うことを聞かず、政権を潰そうとするのだから政治家が主導権を握れるわけがない。

この構図がそっくりそのまま原発にも当てはまり、日米原子力協定の存在と、アメリカべったりの官僚のために、これまでの原発政策を日本だけの考えで勝手に変更することは許されないのである。

そしてこの本最大の見所の一つは、様々な見解のある「日本国憲法を誰が作ったのか?」という問題に対し、GHQが作ったものであることを、疑う余地のない証拠の提示によって結論付けていることだろう。GHQが「占領者は占領地の現行憲法を尊重する」というハーグ陸戦条約を破って作った(作らせた)ことは、日本国憲法に正当性がないことを意味している。これらのことを国民共通の前提としない限り、憲法改正に対する国民の同意は得られないだろう。

と、主なポイントを書いただけでこれだけのボリュームになってしまったが、実は書きたいことはまだまだ山のようにある。日本政治の裏の法体系をくっきりと見せてくれることで政治に関する様々な問題の本質をスッキリと理解することができるようになる。これほど素晴らしい政治関係の本は見たことがない。
同じ「United

孫崎享氏の「戦後史の正体」や沖縄基地ガイド本をすでにプロデュース・執筆した、矢部宏治さんの新刊。

この矢部プロデュース本の中には、他にも前泊博盛氏による日米地位協定解説本や吉田敏浩、新原昭治、末波靖司らによる砂川裁判と日米密約交渉の本がある。したがって、じつは私はこの本はその総集編のようなものではないかと思っていた。

つまり、日米地位協定の不当さ、それに加えて日米原子力協定の不当さを訴える本だろうと思っていた。

ところが、そうではなかった。この本の本当のテーマは、安倍晋三首相が基地と原発の問題の本かと思いきやさにあらず。これは憲法の本だった。矢部氏は憲法9条を金科玉条のごとく崇め奉る戦後左翼リベラルの考えについて、一定の評価を見せつつも「それは戦術論でしか無い」(181ページ)と今やその時期ではないと述べている。日本は憲法9条を盾にアメリカの再軍備要求に抵抗するべきだという「戦術」はもう通用しないのだという認識に著者の矢部氏は立っている。

日本の安全保障政策をめぐるムラ社会的な発想は保守派や外務省の日米安保村にあるだけではない。日本には「絶対護憲主義」を掲げるリベラルの護憲ムラがあり、保守の安保ムラがあるということである。そして、両者は巨大な壁で隔てられている事がわかる。それが日本人の手で国の形を決めさせない要因である、とこの本は後半で力説する。

石原慎太郎と孫崎享という左右の両論客が問題視する「日米地位協定」を否定するには、フィリピン憲法のように「外国軍隊駐留を否定する改憲が必要」と説いてある。

日本にとって必要なのは、個別的自衛権肯定、次に外国軍基地を否定し、外国軍が駐留するなら自国軍の基地の共同使用であるべきというような国際社会並みの駐留条件としていくべきである、と述べている。さらに、日本の安全保障政策を縛っている根源は国連憲章の敵国条項(国連憲章107条)であるとし、その敵国条項を死文化させるには、同じく枢軸国のドイツが行ってきたように、近隣諸国との和解を行動で示すことで実現せよ、と具体的に解く。

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