映画を見ると得をする　もっと映画が面白くなる の感想

映画を読むときの自分の着眼点が変わりました。
劇場で見るときに感じる高揚感の理由。
映画のことが好きな自分をさらに好きになることができたように思えました。
これからももっとたくさんの作品を見ようと思いました。

懐かしい１冊です。私が高校時代映画研究会に入部したときは、まずこの本を読んでいなければモグりと言われたものです。
ずっと読みたいと思っていましたが長らくの絶版で諦めたところ、まさかの電子書籍化で嬉しい限り。
驚かされるのは池波氏の普遍的な審美眼、当時は同時代の話題作を扱っていたにもかかわらず、
そのほとんどが今でも語り継がれる名作フィルムとなっている。
きっと現代の読者でもすんなりと話題についていけるはずです。

『鬼平犯科帳』シリーズ等を生み出した時代小説作家として名高い池波正太郎は、
大の映画フリークとしても有名だ。

池波正太郎の映画に対する愛情と、
それを通して見えてくる彼の人生観。

時代を超えて、映画という娯楽の素晴らしさが伝わってくる。

読み終えた後には、自分にとって映画がもっと愛おしいものになる、そんな一冊だ。