変見自在 ジョージ・ブッシュが日本を救った (新潮文庫) の感想

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参照データ

タイトル変見自在 ジョージ・ブッシュが日本を救った (新潮文庫)
発売日2011-12-24
製作者高山 正之
販売元新潮社
JANコード9784101345925
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » ジャーナリズム

購入者の感想

 思いたって高山氏の著作をまとめ読みしている。本書は週刊新潮に連載中のコラムを2003年11月から2005年2月まで集約したものである。
 標題の「ブッシュが日本を救った」というのは、日本嫌いの民衆党クリントン政権時代は日本企業を狙い撃ちした訴訟でトヨタ、ダイセル、三菱自動車etc,etcが巨額賠償金をふんだくられたが、ブッシュになってましになったという意味である。やたら戦争したり、バカっぽい言動が多くて、息子・ブッシュにはあまりいい印象はなかったが、たしかに言われてみればそうかもしれない。こういうところが、高山氏の書くものの面白いところである。
 一個の人間として付き合うなら、中国人にも韓国人にも米国人にもフランス人にもドイツ人にもロシア人にも尊敬できる人はたくさんいる。しかし国や民族で「xx人」とグルーピングした瞬間に(高山氏にいわせると)どうしようもない集団ができあがる。これはいったいなんなのだろう。
 高山氏の言説には、米国やイランに駐在して間近で戦争を見てきた、というところにリアリティの太い芯があるが、もうひとつ、国家、いや別に宗教でもなんでもよい、集団vs集団の構図があるところには、信頼とか友愛などは一切ない、あるのは自集団の利益のみ、という冷徹な原理をあからさまに表明している点に特徴がある。すなわち、信頼や友愛は個人の間にはあっても集団の間にはない、ということだ。この視点は当たり前のようでいて、現実にはそうではない。その境界は極めてあいまいである。
 読んでいて思い出したのは、テンプル・グランディンの動物感覚―アニマル・マインドを読み解くである。個人対個人は動物脳、集団対集団は人間脳が支配している、そんな気がした。
 ともあれ、さらに勉強を進める。

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