朝倉孝景 (中世武士選書23) の感想

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参照データ

タイトル朝倉孝景 (中世武士選書23)
発売日販売日未定
製作者佐藤 圭
販売元戎光祥出版
JANコード9784864031264
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

「応仁の乱」を再読していたら、どうしても「朝倉孝景」のことを知りたくなりました。専門書なのでスラスラ読めるわけではありませんが、ページをひっくり返しながら楽しんでいます。さらに遡って、「坂東武士団と鎌倉(中世武士選書)」も読み返しています。頭の体操になります。

 どうでしょうか。越前国(現:福井県)の戦国大名、朝倉氏を題材にした書籍は巷で見るでしょうか。
最後の大名は義景という、信長に敗れて本拠・一乗谷から逃れてしまい最終的には家臣に叛かれて自刃するという
何とも惨めな終わり方で滅亡したのですから、パッとした印象を受けない朝倉氏なのでありまして、
さらに敗北者、一乗谷を空けてから城下町が焼き討ちにあっていますので確かな史料が無い中で、
著者の引用されてくる周りからの史料により、本質の朝倉をしっかりと掴むことができる良書だと思います。
そして、著者が長年の研究されてきたことが窺える苦労・努力の書物で、淡々とした流れですので、
スッと頭に入っていき、読み終わった後には現地に赴いてさらに朝倉氏のことを学びたいと感じることでしょう。
 朝倉って何か暗そうで弱い大名と思われている方、是非この書籍を手に取ってお読みいただくと、
本当の朝倉ってこうだったんだ!と意識が変わるのではないでしょうか。

朝倉氏というと、織田信長に滅ぼされた朝倉義景ぐらいしか知らなかったのですが
そもそも越前はどのような過程をたどり、いつごろから朝倉氏に統治され始めたの
かを知りたくて購入しました。

読んでみるとこれが実に面白かったです。

一言で言うのであれば滅茶苦茶な時代です。

将軍足利義政の命令を聞かない、守護斯波氏。
守護斯波氏と仲の悪い、守護代甲斐氏。
甲斐氏が嫌いな、越前の国衆。
この状況を利用しようとする野心満々な越前堀江氏。
そして応仁の乱と将軍足利義政の思惑。

複雑に絡み合った人間関係の中、朝倉孝景が懸命に生きて、いくつもの失敗やピン
チを乗り越えチャンスを物にして、越前の実質的な支配者になるまでの過程が記さ
れています。

基本的に、正確性の高い史料を根拠として記述されており、小説ではなく、史料を
元に著者様が分かり易く過程を解説してくれている本です。

昔の文章が読めない人の為に、史料にはきちんと訳や解説がついておりますので、
昔の文章が読めない自分でも意味が理解できました。

越前朝倉氏がどのような過程を経ていつ誕生したのか。
守護斯波氏家中で、どのように名を馳せていったのか。
どのようにして越前の実質的な支配権を手にいれ安定させていったのか。
朝倉孝景の残した家訓について。

などが万遍なく記載されています。

朝倉氏は元々越前の国衆だったのかなと思っていましたが全然違うことに
は驚きました。

朝倉氏は越前に代々根を張って生きてきた国衆からみればよそ者です。

そんなよそ者が越前1国を安定的に支配する基礎を朝倉孝景が作ったのです
から、すごい人物なのだと実感できました。

また、この時代から越前蟹が有名であったことや、将軍足利義政の苦悩など
も垣間見えることが出来ます。

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