Roget's International Thesaurus, 7th Edition の感想

※サンプル画像 クリックで拡大します

Oxford や Webster 等のシソーラスを補完したい場合は有用だと思いますが、1冊だけのシソーラスとしては使いにくいと思われます。

良い点：
・同義語の意味分けが詳細で表現が多彩。
・カテゴリ分けなので周辺の語を調べるのに向いている。以上2点がメインです。これが不要なら無用の巨大本となる可能性が。
・主要語が太字で拾いやすい
・行動・心理・生活一般・人文系は網羅が厚い。
・個人的にはカテゴリ分けが面白い。ほほう人間の行動はこう分類するのね、など日本語と違う世界観が。

いまひとつな点：
・アルファベット順の検索は、後半インデックスで探して参照先の前半で詳細を見るという二度手間。（後半に列挙の同義語で解決する場合も）。
・例文がない
・単語により内容の過不足がある・・と思う一因は日本人だからでしょう。
・カテゴリ分けの見出し語は、後半インデックスでは、見出し語であるとの表示なし。
　（例：Inquiry ー　前半のカテゴリ見出し語（広義）下には38の項目があるが、後半インデックス（狭義）では同義語が5つある「普通の単語」扱いのみ）
・古い。 geek すら無い・・

不満な部分もありますが、個人的には、とても使える・早く買えばよかった本です。

アメリカに於いては、最も伝統があり、評価の高いThesaurusです。私の通っている大学の学生用学習センターにはこれがおいてあります。収録の仕方もユニークで、分野別に分かれています。後ろの索引でアルファベット順の検索も出来ますが、アルファベット順のThesaurusを希望の方は、この辞書は選択肢にはならないかもしれません。辞書としての最大の魅力と学習用としての欠点は、収録語数は最多である代りに、あくまでもネイティブ・上級者用であり、例文は全く載ってないという点ではないでしょうか。アルファベット順辞書は、短い語義が載っている代わりに収録語数が少ないですし、この辞書は語義が全くない代わりに収録語数が多い。どちらを優先するかを考えた上で、購入した方が間違いがないことを付け加えておきます。