日本人なら知っておきたい満州国の真実 (別冊宝島 2203) の感想

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参照データ

タイトル日本人なら知っておきたい満州国の真実 (別冊宝島 2203)
発売日2014-06-13
販売元宝島社
JANコード9784800228161
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

作者は謀略、テロに関する著作が多数あり、そういった視点で書かれている本と理解して読むとわかりやすい。

本のタイトルは、一見満州擁護論のように見えるが、満州奪取、盗ろうとしたなどの表現でわかるように、自虐史観が底流にある。
日本は傀儡国家を作ったが中華民国から盗ったわけではない。
全体的に「中国人」と一把ひとからげに、曖昧に表記しているが、満州国について書くのなら、支那人(漢人)と満州人はきちんと区別してくべきだろう。

南満州鉄道の権益は、元々清朝が日本をけん制するためロシアにプレゼントしたもので、これが日露戦争の結果、敵国日本へ移譲され清朝にとって全くの誤算となった。
したがって日本の鉄道経営は、清朝や後には中華民国、その他地元抗日勢力から執拗に妨害された。
日本はこれを打開するか、尻尾を巻いて満州から逃げ帰るかしかなく、むしろ敵の謀略に乗せられてしまったと言うべきだろう。

第1次上海事変は満州から目をそらすため、一切を関東軍が仕組んだ謀略と決めつけている。
そのため、時の欧米各国の上海租界の状況、中華民国軍の動向などの視点を全く無視している。
謀略説を言えば、中華民国や共産勢力などあらゆる勢力に動機があり、関東軍は今回もしてやられた方だろう。

最後の奥野誠亮氏の「特別インタビュー② 元内務官僚が見た満州国」だけは満州擁護論で、それまでの内容とは一線を画する。

若干進歩的文化人風(古い!)の所見が加えられたりしている表層的文章も気になるものの、幅広く丹念に集め、地図の説明などはわかりやすい。戦争責任に関しメディアが煽ったと言う側面にも触れるべき。

今の日本の文化にもつながります。
「どこで」「誰が」「どう」間違ってしまったか?

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