荘子 第3冊 外篇・雑篇 (岩波文庫 青 206-3) の感想

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タイトル荘子 第3冊 外篇・雑篇 (岩波文庫 青 206-3)
発売日販売日未定
製作者荘子
販売元岩波書店
JANコード9784003320631
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荘子の外篇の11から後半と、雑篇の最初の3篇を含む。淮南子や列子からの引用あるいは列子とほぼ同一の話が多く、特に達生篇では列子の黄帝篇とほぼ同一の話が多く含まれる。横綱双葉山が連勝記録が止まった時に、“ワレ イマダ モッケイ タリエズ”と言ったことで有名な木鶏の話も両書に見られ、読み方は荘子では"ぼくけい(p54)”、列子では”きづくりのとり、列子(上、p123)”となっている。思想的には、老荘折衷のもの、禅にちかいものから、孔子がよい役回りで登場するものまである。解説は、荘子の思想が、後にどのような影響を与えたのかを、15ページにわたり金谷治が執筆。賈誼(かぎ)の“’鳥(ふくちよう)の賦“への影響、黄老から老荘思想へ変化した”淮南子(えなんじ)“、老荘思想が解脱の手段として生かされたこと、仏教思想への影響:僧肇(そうじょう)の涅槃の説明”現実の当処がそのまま真実―という形において涅槃は在る“、文藝の世界と神仙道教への影響などが簡潔にまとめられており優れている。以下は金言。

いったい利益によって結ばれたものは、ひどい災難や危害におしつめられるとたがいに見棄ててしまうが、天然自然でつながっているものは、ひどい災難や危害におしつめられるとたがいに助け合うものだ。あの深い理由もなくて結ばれた仲間は、また深い理由もなく離れていくものだ(p89)。

(真人は)すべてを惜しみなく人に与えながら、自分はいよいよ充実してゆく(p137)

古(いにしえ)の人は、外(そと)化して内(うち)化せず、今の人は、内化して外化せず。物と化するものは、一も化せざる者なり。(p178)

いろいろの災難がやってくるというのは、すべて自然のめぐりあわせであって、人の力でどうしようもないことである。だから、それらは誠心をかき乱すほどのことでもなければ、心の中心に入りこませてはならないことである。(p207)

人の徳(はたらき)は{表立った立派な形をとるよりは}根源的な統一の場である道に包摂され(不道の道)、言葉は{すべてをしゃべりまくるよりは}知恵の及ばないところで止めるというのが、最上のことである(不言の弁)。(p259)

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