荘子 第4冊 雑篇 (岩波文庫 青 206-4) の感想
参照データ
タイトル | 荘子 第4冊 雑篇 (岩波文庫 青 206-4) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 荘子 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003320648 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 |
購入者の感想
第三冊に含まれなかった荘子雑篇の後半8篇を収録。2ページの訳者の金谷治のあとがきには、荘子の外篇・雑篇は難語が多く、第一冊から11年かかった旨と本書が金谷の東北大学での最後の著作であることが短く記されているが、荘子の文章は難解で、書き下し文だけを読んでも全く意味がとれないことが多い。外篇と雑篇(荘子第二、三、四冊)の語句と人名索引は61ページに及び有用だが、第二、三冊には索引がないので、本書は入手しておきたい。全4冊では、相互に引用がなされているのだが(何冊の何ページという具合で)、4冊に分かれていると、他の分冊まで参照するのが面倒であるので、今後、改訂版を出す企画があれば、4冊をまとめた一冊本として出版して欲しいところ(それぞれの冊は長くないので可能)。第四冊では、老子からの引用が多いが、筍子からの引用も比較的多い。また、亡言の章(p34)、杏壇(きょうだん、p147)、内聖外王の道(p204)など後世によく引用される章や、列子に同じ話が収録されているものもある(p67、112、168、225など)。最後の天下篇は、墨子などの諸思想を列記して論評(プラスとマイナス面の両方)を加え、また老荘思想の優れたところを総括しており、著者の哲学的立場の理解の助けになる。以下は金言。
人間を養う手段である土地のために、養うべき当の人間を害してはならない(p59)
悠々自適の境地をわきまえた者は、何かを失ってもびくともせず、内面の修行がゆきとどいた者は、地位がなくても恥じることがない(p77)
大寒がやってきて霜や雪が降るようになって、そこでわれわれは松や桧が寒中にも強いことを知る(p84)
有限なこの身を無限の大自然のなかに寄せているのは、忽然とした瞬時のこと(p113)
人に下ること精ならざれば、其の真を得ず。故に長く傷(そこな)う(p164)。
人に恩恵を施してそれを意識しているのは、自然の無心な施しとは違っている(p183)。
およそ人の心は山川よりも険しく、天よりもわかりにくい。人間というものは容貌を厚く飾って心の動きを深く隠しているものだ(p186)
人間を養う手段である土地のために、養うべき当の人間を害してはならない(p59)
悠々自適の境地をわきまえた者は、何かを失ってもびくともせず、内面の修行がゆきとどいた者は、地位がなくても恥じることがない(p77)
大寒がやってきて霜や雪が降るようになって、そこでわれわれは松や桧が寒中にも強いことを知る(p84)
有限なこの身を無限の大自然のなかに寄せているのは、忽然とした瞬時のこと(p113)
人に下ること精ならざれば、其の真を得ず。故に長く傷(そこな)う(p164)。
人に恩恵を施してそれを意識しているのは、自然の無心な施しとは違っている(p183)。
およそ人の心は山川よりも険しく、天よりもわかりにくい。人間というものは容貌を厚く飾って心の動きを深く隠しているものだ(p186)