李白―巨大なる野放図 の感想

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参照データ

タイトル李白―巨大なる野放図
発売日販売日未定
製作者宇野 直人
販売元平凡社
JANコード9784582834246
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 古典 » 中国の古典

購入者の感想

 NHKラジオの古典講読で放送された内容が、平凡社の漢詩プロジェクトの目にとまり『杜甫』とともに出版されました。『李白』も『杜甫』も、その生涯の歩みに沿いながら、代表的な詩を鑑賞していこう、という基本構成。元々、ラジオ番組ですのでわかりやすい。学者さんである宇野先生に、声優として有名な江原さんがいろいろ質問していく、という内容なので漢詩についてあまり詳しくない私のような初心者でも興味深く読み進めることができました。

 お恥ずかしい話ですが、中国の詩人に関して、その伝記を読んだことがあるのは陶淵明ぐらい。ですから、李白の生涯が、かなり波瀾万丈であったということぐらいは、なんとなく知ってはいましたが短い宮廷詩人の時代が玄宗皇帝、楊貴妃の最盛期にあたっていたり、楊貴妃に嫌われて追放同然に宮廷を去ったり、その直後に杜甫と出会って2年間も放浪したり、その後も安史の乱に巻き込まれて刑死寸前で救われたり、流されたりと本当に波瀾万丈だったということまでは思いもよりませんでした。しかも、こんなにオールスターキャストに恵まれた生涯だったとは!

 でも、まあ、なんといっても魅力は詩。宴たけなわの状態を詠った「客中行」もいいですし、宮廷詩人時代に戦争の悲惨さを詠った「戦城南」の最後の4節も凄い。また、マーラーが『大地の歌』の第一楽章につかったテキストの原文「悲歌行」の出だし「悲来乎(かなしいかな)」もいいんですよねぇ。

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平凡社から発売された宇野 直人の李白―巨大なる野放図(JAN:9784582834246)の感想と評価
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