強くてニューサーガ〈4〉 の感想

この小説の面白さは、仮想戦記ものに通じるところがあると思うんです。
主人公の過去転生から始まる下りと、破滅的未来の回避に尽力するあたり、『紺碧の艦隊』的な楽しさに近いと思います。
高野五十六閣下や大高弥三郎首相と違って、主人公には政治力がないので、過去で培った能力と知識を使って政治力を獲得すべく英雄を目指すというくだりが新鮮で面白いです。
未来改変によって起こる、歴史のifがちゃんと愉しみとして機能しており、主人公の次の一手が非常に楽しみです。
主人公が悲惨な総力戦を経験した歴戦の強者だけあって、いわゆるチート的な強さに違和感を感じさせないのも面白さの一因です。
話の土台もしっかりしていて、これからの展開も楽しみなので、ぜひ続いて欲しい作品です。