日本版カジノのすべて しくみ、経済効果からビジネス、統合型リゾートまで の感想

日本国内のカジノについては、推進の人はメリットのみ、反対の人はデメリットのみで考えがちですが、
この本は、功罪両方について細かく丁寧に説明されているので、
問題を考えるのに最適な本です。

「カジノにまつわる20の素朴な疑問」はわかりやすいですし、
依存症や青少年への影響などの「カジノで懸念される罪」、
「法制化までにクリアすべき課題」など法律的な事にも触れています。
「世界のカジノ事情」などについては表やグラフ、写真なども使われています。

各項目数ページずつ区切られているので読みやすく、
功罪両方を勉強して、判断するのに最適な本です。

カジノの議論に国政レベルで参加している所謂識者の中で、実際にカジノ経営を米国のネバダ州立大学で学び、カジノに就職し現場経験を持って居る人間は、本書の著者だけではないだろうか。　それだけに、本書で展開される議論は、国際競争下でのカジノ経営、社会的負荷等も十分考慮され大変説得力に富んでいる。　ラスベガスの過去幾多の問題を克服してきた歴史が、ネバダ州立大学で提供されるカリキュラムに生かされ、そこで育まれた良識が著者をして本書を書かせたと言えよう。　

何らかの形で、カジノ議論に参加している人には必読書であること間違いない。