本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書) の感想

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タイトル本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書)
発売日2013-03-29
製作者佐々木閑
販売元NHK出版
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カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

日本へ入ってくるずっと前、釈迦が開いた頃の原始仏教の姿を、講義形式で分かり易く述べています。
昔、何度も読んだ手塚治虫の「ブッダ」について、解説をしてもらっているように読みました。

インドに仏教が生まれた頃の背景、釈迦の人物から始まり、主な弟子、組織(サンガ)、部派して大乗仏教となっていく経緯、最後に、主なブッダ(お釈迦様)の教えを紹介しています。

一貫したメッセージは、原始仏教は何かにすがったり頼るのでなく、「自助努力によって自分の苦悩を解決していこうとする自律的な宗教」であり、それは何も特別な修行を通じてとは限らず、この現代の日常にも通じる知恵であること。仏教に関する一般向け本はあるが、その教えをもう少し深く知るには適した良書だと思う。

日本に伝えられた仏教はすべて大乗仏教であり、釈迦が創始した原初の仏教とは似ても似つかない。本書は、浄土真宗の寺に生まれながら、宗派に関わりなく、「お釈迦様の仏教」を研究してきた著者による、実に親しみやすい仏教入門書である。「自分の救済者は自分自身である」というシンプルで、しかしある意味では厳しい、原初の仏教に触れるのに最良の案内書である。

本書では、釈迦の生涯をたどったあと、釈迦の考え方(四諦八正道)、釈迦の創始した組織(サンガ)、そして個性豊かな弟子たちを紹介する。また、釈迦の入滅後に、部派仏教から大乗仏教が誕生する過程を簡潔に説明している。著者の研究によれば、戒律に対する考え方の違いがこれらの分派の背景にあるとする。

本書で紹介された、印象的な釈迦の言葉をいくつか。

「実に心を制御すれば英知が生まれるし、心を制御しなければ英知は消滅する。生まれることに向かう道と、消滅に向かう道、この二種類の道を心得て、英知がますます増大するよう、自己を整えよ」(ダンマパダ)

「自分の救済者は自分自身である。他の誰が救ってくれようか。自分を正しく制御して初めて、人は得難い救済者を手に入れるのだ」(ダンマパダ)

「実にこの世では恨みによって恨みが鎮まるということは決してない。恨みは恨みを捨て去ることで鎮まる。これは永遠の真理である」(ダンマパダ)

「究極の真理へ到達するために精励努力し、心ひるむことなく、行ない、怠ることなく、足取り堅固に、体力、智力を身につけて、犀の角の如く、ただ独り歩め」(ダンマパダ)

原初の仏教が、超能力や神秘主義とは無縁であり、現代にも通用する自己救済のための真理であることは、もっともっと強調されてよい。また、「恨みを鎮める」ことは、社会関係や国際関係にも通じる深い教えである。

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