(001)○に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな (ポプラ新書) の感想
参照データ
タイトル | (001)○に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな (ポプラ新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 鎌田 實 |
販売元 | ポプラ社 |
JANコード | 9784591136300 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 倫理学・道徳 » 倫理学入門 |
購入者の感想
解は一つではない。反対する二つの意見があれば、真実はおそらくその間にある。
多くの人に「正解」と思われていることにはたいてい、それとは異なる「別解」がある。
誰かの言う「正論」はたいてい、真実の表面だ。その裏側に「別論」がある。
私たちはそのことをたくさんの経験から知っているはずなのに、つい他人の「正論」、世に言う「正解」を鵜呑みにしてしまう。
そのほうが簡単だからだ。
この本を読んで私は、一つの自分の経験を思い出した。
東日本大震災のあとの2011年の11月、
仕事仲間や友人と、関東や東北の農家さんから野菜を譲ってもらって被災地に届ける活動をしていた私は、家が床上浸水したが壊れずに残ったために自宅避難している人たちの集落に野菜を配った。
そのうちの1軒の離れに泊めてもらったその夜、家の人にこんなことを言われた。
「震災のあと、避難所の人たちは食べるものがあった。私たちには食べるものがなかった。避難所は支援物資を独占して、私たちは飢えかけた。私たちは壊れた家を自分で直し、頑張って仕事をして、壊れた家電を自分で買って、誰にも頼らず生活している。あの人たちは、家電付きの仮設住宅をタダで貰い、義援金を何百万も貰い、たくさんの施しを受け、仕事しない。自立しようという意思がない。あの人達を支援をするのはもうやめたほうがいい。あの人たちのためにならない。それにあなた達の支援はここで商売をしている人の営業妨害ですよ。」
私は動じなかったが、初めて支援活動に参加した女性はその話を神妙に聞き、すっかり暗い顔になった。自分たちが間違ったことをしているように感じてしまったからだ。
だが次の日に仮設住宅に行き、野菜を配布したら、その人の顔はみるみると明るく蘇った。
多くの人に「正解」と思われていることにはたいてい、それとは異なる「別解」がある。
誰かの言う「正論」はたいてい、真実の表面だ。その裏側に「別論」がある。
私たちはそのことをたくさんの経験から知っているはずなのに、つい他人の「正論」、世に言う「正解」を鵜呑みにしてしまう。
そのほうが簡単だからだ。
この本を読んで私は、一つの自分の経験を思い出した。
東日本大震災のあとの2011年の11月、
仕事仲間や友人と、関東や東北の農家さんから野菜を譲ってもらって被災地に届ける活動をしていた私は、家が床上浸水したが壊れずに残ったために自宅避難している人たちの集落に野菜を配った。
そのうちの1軒の離れに泊めてもらったその夜、家の人にこんなことを言われた。
「震災のあと、避難所の人たちは食べるものがあった。私たちには食べるものがなかった。避難所は支援物資を独占して、私たちは飢えかけた。私たちは壊れた家を自分で直し、頑張って仕事をして、壊れた家電を自分で買って、誰にも頼らず生活している。あの人たちは、家電付きの仮設住宅をタダで貰い、義援金を何百万も貰い、たくさんの施しを受け、仕事しない。自立しようという意思がない。あの人達を支援をするのはもうやめたほうがいい。あの人たちのためにならない。それにあなた達の支援はここで商売をしている人の営業妨害ですよ。」
私は動じなかったが、初めて支援活動に参加した女性はその話を神妙に聞き、すっかり暗い顔になった。自分たちが間違ったことをしているように感じてしまったからだ。
だが次の日に仮設住宅に行き、野菜を配布したら、その人の顔はみるみると明るく蘇った。