謎の大王継体天皇 (文春新書) の感想

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参照データ

タイトル謎の大王継体天皇 (文春新書)
発売日販売日未定
製作者水谷 千秋
販売元文藝春秋
JANコード9784166601929
カテゴリ歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般

購入者の感想

著者は学生の頃からこの時代を中心に古代史研究をしていたようだ。文献の詳細な研究、他説との比較等著者の真摯な姿勢が窺がえる。「継体天皇」。この「継体」という"おくり名"が前の天皇の後を継ぐという、当たり前過ぎて不自然な名称である事は前々から問題となっていた。「継体天皇」の所で王朝が交代しているのではという説も前々から盛んであった。本書はこの謎を中心に、蘇我氏等の豪族との関係、"磐井の乱"の意味、崩御とその後に与えた影響等を論じている。

「継体天皇」は応神天皇の五世の孫とされている。あの逆賊と言われた平将門と同じ関係である。朝廷はどうしてそんなに血縁が薄い「継体」に天皇位を求めたのか ? これが「継体」別王朝説を産んだのだが、著者は諸文献に丁寧に当たり、当時の状況からそうせざるを得なかった事情を説明する。論法が強引でない点に好感が持てる。ただし、決定打を放つためには、新しい文献の発見や発掘結果が必要となるだろう。古代史には解を求めるための鍵が不足しているのだ。そこがロマンを呼ぶ所でもあるのだが。

もう一つ、本書で引かれたのは"磐井の乱"の解釈である。学校の授業では一豪族の反乱という事でアッサリ済まされてしまったが、何故北九州で反乱が起きたのか、その当時の朝廷と地方との力関係は等、色々疑問点があったのだ。本書では「継体」の即位との関係でうまく説明している。

本書は古代史に夢とロマンを求める歴史マニアに好適の書。

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文藝春秋から発売された水谷 千秋の謎の大王継体天皇 (文春新書)(JAN:9784166601929)の感想と評価
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