萬葉集に歴史を読む (ちくま学芸文庫) の感想

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参照データ

タイトル萬葉集に歴史を読む (ちくま学芸文庫)
発売日販売日未定
製作者森浩一
販売元筑摩書房
JANコード9784480093530
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集

購入者の感想

萬葉集には興味があった。通してはとても読めないのだが。
人間の自由な心理が歌い上げられている。恋愛、夫婦の愛情、仕事に行きたくないとか、寝ていたいとか。
地域が歌われ、天皇賛歌が歌われる。貧窮問答歌など、よくぞこんな歌が残されたと驚嘆する。

平安以降の、歌のための名作歌集ではなく、日常生活がそのまま読まれているのだ。
しかも、有名歌人のものも多いが、「詠み人知らず」のものも多く収められている。
日本語と歌の関係については、深いものがあると感じる。文字が普及する前だから、七五調のリズムに乗せて、記録又は記憶の代用にしていたとか。果たしてそうなのか?

5世紀前半から、日本人は歌を詠んできたのだ。あ、いや、まだ「日本」が成立する前から。
当時の人々の日常生活の中で、歌はごく普通に歌われ、使われてきたのだろうか。
特殊文化人のアイテムではなく、庶民が鼻歌を口ずさむがごとくに。

森先生は、日本の歴史に重ねて、萬葉集を紹介しておられる。
『記・紀』しか文献がないのではない。萬葉集もれっきとした歴史研究文献なのだと。
萬葉集を傍証として読むなら、「作文」と言われる『日本書紀』もけっこう事実に迫れるのではと。

額田王の有名な歌、「あかねさす むらさきの行き しめの行き ………」
現在の夫の天智天皇(兄)と、前の夫の大海人皇子(弟)の両方がいる前でこんな歌を詠むとは。
それに対して、二人がまたさらっと歌で返すとは。壬申の乱の原因は額田王かとさえ思える。罪な人かも。

歌と歴史の両方の勉強になった。
その後の日本の庶民はなぜ歌を忘れてしまったのだろうか。
う〜ん、不思議だ。

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