敗者の古代史 の感想
参照データ
タイトル | 敗者の古代史 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 森 浩一 |
販売元 | 中経出版 |
JANコード | 9784806147909 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 日本史 » 一般 » 日本史一般 |
購入者の感想
85才になられた老考古学者御大が人工透析を受けつつ、片足を脱疽で切断しつつ書き上げた書である。鬼気迫る感じが伝わってくる。今言わなきゃ!的な感じなのか?名前を伏せつつキョート大とかサラッと非難したり 敗者なのか?実在してないんじゃ?という蜂の子皇子(出羽三山の開祖ですね)が入ってたり、男性二人同時合葬の藤ノ木古墳について「いや、あれは男二人だ」と力説するあまり 法隆寺の重鎮学問僧の田良真和尚の著書「法隆寺建立の謎・聖徳太子と藤ノ木古墳」で書いてある事と違うことを、
まるで良真和尚が言ったように書いていたりする。時々変な日本語になっているのは録音から原稿を起こした時の名残か。何にせよ考古学の本は御高齢の先生の著書が面白いという例である。
まるで良真和尚が言ったように書いていたりする。時々変な日本語になっているのは録音から原稿を起こした時の名残か。何にせよ考古学の本は御高齢の先生の著書が面白いという例である。
ニギハヤヒ、筑紫君磐井、有間皇子といった魅力的な人物が並び、そのひとつひとつに著者の力というか思いが感じることができ、読み応えがある一冊。特に印象的なのは、天智天皇を「敗者」として扱っている点で、目からうろこだった。森さんの本のなかでも記紀の読み方は抜群に面白いのが、本書も期待以上の内容だった。