ひょっとしてこれで終わり！？

　今巻では国王の後継者候補達のお披露目パーティにリリアーヌとレオンが出席することになり、
そこで王妃の首飾りが盗まれるという事件が起きています。
　　が、
レオン以外の王子達にあんまりインパクトがなく、
事件の黒幕や真相も予想通りすぎてちょっと味気なかったです。
　　それに、
前巻から期待していたアルベールの裏切り行為の理由に関してもありがちなもので、
肩透かしをくらった気分。
　　ヒロインの扱いにしても、
せっかくレオンの護衛騎士になれたのに、
やっぱり主の知性と活躍に押されてしまっていたのが惜しい。
（敵が腰に仕込んでいた銃を見抜いていたところはかっこよかったですよ）　　まあ私はレオン大好きなので嬉しかったですが。
　　主と騎士という関係でいうならば、
レオンと銀狼騎士団団長ギーの方が「らしさ」が出ていてよかったです。
　　そもそもこの作品って、
猪突猛進でどこか危なっかしいヒロインの姿に庇護欲をかき立てられた男性達が、
徐々に変化していくさまがメインで描かれていた感じがします。
　　なので、
中味もキャラも濃いお話をもう何冊も読んでいる方からすると、
微妙なのではないでしょうか。
　　　個人的には、
本編でヒロインと彼女の兄達の日常会話や団員達の生活とかをもっと見てみたかったです。
　　あとがきの後には、
リリアーヌとレオンの後日談もあり、
物語としてはむしろ二人の新たな関係から始まる今後の展開の方が面白そうに思えました。
　　全体を通して文章も読みやすかったですし、
あと少し事件とキャラと組織との絡みが複雑になれば読みごたえも増した気がします。
　　イラストは男女共に凛として麗しく、
お話の雰囲気にとても合っていて素敵でした！　　今後、
番外編とかが出るなら読んでみたいです。