小難しい「日本人論」はさておいて、しかし、これは目から鱗の歴史情報の宝庫です。

上巻のみのレビューです。

率直に申し上げて、
大仰なタイトルで少々損をしている本、
という印象を受けます。


冒頭駆け出し部分から、
全体の4分の1辺りまでの、

勿体つけた唯我独尊インテリ物知り爺さんひけらかし系筆致に少々辟易しつつも、

何かしら捨てがたいモノを感じ読み進めていきますと、

その先に、
何とも唖然とする知的刺激が待ち受けている、
という塩梅の一冊です。


ワタクシの歴史知識レベルは、
高校まで日本史を一応押さえ、

そこそこに歴史好きで、
その手の新書レベルまでは読みこなせるという
まあ、
何処にでも転がっているレベルですが、

とにかく、
そのレベルの「日本人」にとっては、
なんと言いますか、

この本の後半は「知らないことばかり」でございまして、

それで居て、
「何でこんな大事な事を教わっていないのだ！」
と、
怒りさえ感じるほどに、
それは日本人として大事な事のように思えることでございます。


ネタバレは避けますが、

しかし…
この大仰なタイトルも最終的には伊達ではない、
ということが分かります。

結論として、
出来るなら、
全ての文系日本人にお読みいただきたい一冊でございました。

小難しい日本人論、
文化論、
政治論とは全く関係ない歴史視点からの相当素晴らしい一冊です。

貴方の文化的・政治的立場がどのような物であろうとも、
この一冊は、
知的好奇心を十二分に満たして下さる一冊です。

是非、
お読み下さいませ。