「ちはやふる」の魅力と面白さがてんこ盛り

「ちはやふる」19巻目にして初の企画本です。
まず千早、
新、
太一にはじまり瑞沢の仲間たち、
クイーン、
名人、
ライバル校や過去の対戦相手、
そして先生方にいたるまでの人物紹介。
主要人物だけでなく、
脇役までじつに念入りにキャラ設定されていることが実感できました。
本編ではいつも登場人物のキャラ立ちに感心しますが、
その理由がわかったような気がしました。


興味深かったのは札制作の過程の解説です。
本編って実際に札を並べて読み札の順番を決めて、
一枚ずつ取りながらその都度札の配置も変えて描かれているんですね。
だからあれだけリアリティーのある対戦シーンが描けるんだと納得がいきました。
作者は本当に手をかけて「ちはやふる」を描いているんだなと敬服しました。
ネームノートと絵コンテの公開も「ちはやふる」の舞台裏を見ているようで大変参考になりました。


末次先生と「３月のライオン」の羽海野先生の対談もあって、
両作品とも愛読している私にとってはとても面白く読めました。
名人・クイーンのインタビューも載っていて本物の名人やクイーンがかるたに対してどんなふうに思っているのか、
どんなふうに取り組んでいるいるのかを知ることができました。


アニメのほうの声優さんやスタッフへのインタビューも載っていて、
アニメも観ていらっしゃる方には特に参考になると思います。


ほかにも紹介しきれなかった企画もたくさんあり、
「ちはやふる」の魅力と面白さがてんこ盛りになったような本で、
結構密度の濃い内容です。
本編を読むうえでも参考になる点も多いと思います。
また、
企画本ですから自分の好きなところから読めるのもいいところです。
本編の単行本より価格設定は高めですが、
価格に見合う内容になっているかと思います。
「ちはやふる」ファンなら手元に置いておいても損はないと思います。