面白い。全部読んだらカバーを外してみましょう。

■ストーリー
　相変わらず、
作中の一般人目線で見るとシリアスなのに、
主人公と新キャラクターの内面はコメディに溢れつつ、
要所でシリアスにまとめています。

　新キャラクターとの絡みも楽しく、
一巻の面白さをそのまま、
新しい読み味も加わっていました。


■世界観
　神、
宗教、
信仰心といった要素が飾りではなく、
作中にきちんと組み込まれている。

　タイトルにもなっている『病』が、
神から人への試練と広く認識されており、
人々は苦しみつつも、
信仰心ゆえに受け入れているところが描かれていました。

　こういった、
信仰心ゆえの危うさのようなものをストーリーに組み込めているのは面白いなと感じます。

　
■バトル
　明らかな非戦闘員、
モブキャラクターを除いて、
棒立ちで何もしないキャラクターが殆どいない。

　敵も味方も自分達の目的を果たそうと、
疲労や消耗で派手な攻撃ができなくなっても戦いを有利に運ぶよう行動するので、
どのキャラクターにも存在感がある。


■文章
　ウェブ（横書き表示の小説サイト）からの発掘だからか、
まだ縦書きに慣れていないところがある気がしました。

　ただ、
ウェブ版に比べてほぼ書き下ろしといっていいレベルで加筆しているのは、
好印象です。

　ウェブから読んでいる人でも新鮮な気持ちで楽しめると思います。


■妄想セリフのフォント変え
　私はフォント変えがある方が視覚的にわかりやすいので、
書籍版の方が面白いように感じましたが、
電子版の方が読みやすい、
という方もいるのではないかな。

　ここは好みの問題になるでしょうが、
どちらかしか読んでいない、
という方は、
もう片方も試してみてはいかがでしょうか。

　より、
好みに合った方で、
続きを追いかけていけばよいと思います。


■オマケ
　全部読んだらカバーを外してみましょう。

　読む前に外してもいいと思いますが、
読んだあとの方が面白く感じるはずです。