アメリカでベストセラーになった原作の見事な映像化作品

80年代に話題となった原作は、
ニューヨークを舞台にした都会の裏側で蠢く怪しい事件と宗教を見事に描いていました。
長編ですが一気に読んでしまう筆力は、
この作品が描くいかにもニューヨークにありそうな不気味な世界観を鮮明に描写していました。

原作を映像化するのは難しいだろうと思っていたのですが、
アラン・パーカーが監督するというニュースを聞き、
もしかしたら原作の持つイメージを具現化できるのではと期待したものです。

映画はなんと原作を超える素晴らしい出来栄えでした。

映画にセピア調の画質とジャズを加えこの作品のカラーを確立、
トレバー・ジョーンズのサックスは物悲しくドラマを盛り上げています。
舞台は原作にないニューオリンズへ。
これが作品をグレードアップしています。

出演は、
当時ノリに乗っていたミッキー・ローク。
そしてテレビドラマで清純派だったリサ・ボネットが驚く役を演じています。
シャーロット・ランプリングとロバート・デ・ニーロが脇をしっかりと固めているのもこの作品を名作にしている重要な要素です。

アラン・パーカー監督は微妙な濃淡を使った映像を作っているので今回のBD化はとても楽しみです。

マスタリングがきちんとされていることを祈ります。