著者の経験から書かれた本

本書は本書の前提を考えて読まないといけない。
想定読者は事実上、
大卒以上くらいの学歴で大企業、
公務員など安定した職業に就いている人だろう。
また著者は中央大学卒でアスキーなどのちゃんとした会社勤めをしてマイクロソフトに入った人だ。
その著者が経験から得た実感として書いたのが本書だ。


すなわち、
著者と同類の大卒のビジネスマンが、
仕事とは直接関係のない資格取得の勉強をしたり、
仕事ではあまり使わない英語の勉強をしたり、
自己啓発セミナーに行っても得るものは少ないよ、
と言っている。
ある一定のレベル以上のビジネスマン向けの著者なりのアドバイスだ。
その主張は納得できるものも多いし参考になる。


ただし、
この本の主張は著者自身の経験や見聞から得た結論ということに注意が必要だ。

例えば、
ホワイトカラーが取得を考えるような資格について、
実際に取得した人の動機、
行動、
取得後の収入や生活や満足度の変化、
などを様々な統計データ示して分析して得られた結論ではないからだ。
逆にここまで調査・分析してから本を出版していたら、
成毛氏はこれほど多くの本を出版できないであろうが・・・。


ともかく中高生ぐらいの段階の人がこの本を読んで、
勉強には意味がない、
と考えて学校の勉強をしなくなるのは良くない。