聞いて真価を発揮する本

TOEICの全パートを対象にした、
いわゆる総合対策本は巷に
溢れていますが、
著者自らが、
模擬問題のすべてを解説した、

これほど長時間にわたる音声講義があるのは本書だけでしょう。


単なる受験テクニックを伝えるだけなら、
おそらく２時間程度で
済むと思います。
それを、
問題の訳・単語の意味・問題の類別・
設問へのアプローチの仕方など、
１問１問、
実に丁寧に解説して
くれます。


参考書を何回も「見て」勉強するのもよいのですが、
この講義を
1回「聞いて」得られることは実に多いです。


たしかに、
15時間（実は、
16時間以上）もの講義を通して聞くこと
は根気のいる作業です。
が、
その長さの分だけの内容はあると
思います。
特に、
単語の解説は、
聞いていてなるほどと思うものも
多く、
未知の単語の類推にも役立ちます。


ダブルページマーカー法による反復学習を著者は進めていますが、

このやりかたで一番力がつくのも、
語彙力でしょう。
たしかに、
この
方法なら、
生きた文脈の中で、
単語の意味だけでなく、
その使われ方も
同時にマスターでき、
とても効率がよいといえます。


あと、
著者は長年、
パート５の攻略法として「中学レベル英文法10」
を提唱していますが、
この内容自体、
著者の毎年のTOEIC研究に
基づきながら、
年々進化しています。
それは、
著者の過去の著作と
見比べてみればわかることで、
今作のものが一番洗練されていると
思いました。
TOEICの英文法というよりも、
英文法のエッセンスを
まとめたような感じで、
これだけでもかなりの発見があります。


講義の最後にサプライズ（？）もあります。
実は私はこれが一番の
お気に入りです。