「描き続けるかぎりは、この痛みは我慢しようってな。」

車田流悪ノリの金字塔キャラとなった蟹座のデストールが大活躍します。

デストールのファンの方には満ち足りた読後感を保証します。
自分は楽しくて仕方ありませんでした。
笑。

島本和彦の「アオイホノオ」11巻に登場する名セリフ
「だめだっ、
車田正美は天才だ!!こっち方面ではもう…誰も勝てん!!!」
を思いましました。
こっち方面ではやはり…車田正美には勝てん!!!

ときに車田氏の描線が変わったのは、
単純に加齢による劣化と今まで思っていたのですが、

人差し指の軟骨がすり減って曲がってしまい、
痛みを堪えながら描いている影響が大きいようです。

医師からは何度も手術をすすめられているそうですが、
薬で進行を遅らせながら執筆を続けている状態とのこと。


「メスを入れるってことは、
微妙なタッチが出せなくなる。

漫画家が引く線は、
機械的な一本線じゃない。
魂込めて一本の線を引くわけよ。

その感覚がなくなったら、
おしまい。
だったら描き続けるかぎりは、
この痛みは我慢しようってな。
」

軟骨が無くなった時が、
漫画家「車田正美が死ぬ時」だそうです。

手術を拒否している以上、
その時は遠からず訪れるわけで、
この作品の完結までもつ保証もありません。

幼少時に胸を熱くした車田漫画へのリスペクトを、
自分は最後まで失わず車田先生の生き様を見届けたいと思います。