密度の高い本です

1年365日、
1ページ1日。
美しい写真と添えられた文章が楽しく、
気が向いたときにぱらぱらとめくり、
たまたま開いたページを眺めるだけでも十分楽しめます。
むしろ見始めるとそのままずっと見てしまうことも。


普段目にしたことの無い菓子だけでなく器との取り合わせもおもしろく、
美しさだけでなくユーモアさえ感じます。
菓子を器に盛るとは、
ものを乗せたり並べたりするだけでないのだなぁと、
「菓子と器を取り合わせ」「盛り付ける（しつらえる？）」とはそういうことなのかと感心してしまいます。
コラムでは実際の茶席では使わないかもしれない（過剰になることもあるかもしれない）取り合わせもあるとのことですが、
逆に言うとこういった形で見る為のしつらえであるという事でもあり、
十分な見ごたえがあります。


月初めのページにはそれぞれの月の名前、
行事やお菓子の種類とともに季節の菓子の選び方にまつわるような話があって勉強になります。
和菓子についての5つのコラム（？）も興味深く、
幾重にも重なった知識や感性がお茶の世界をより深くしているのだと感じました。


ブログの書籍化・・・と言われると個人日記のような気がしてしまいますが全く以てそういうものではなく、
菓子や器の一点一点のレベルの高さに思わず「濃い・・・」とつぶやきつつ、
ついつい開いてしまう、
密度の高い本でした。