これは確かに「幻の名著」だ。
かなり以前から、
タイトルの由来だけは知っていて、
その存在は気にはなっていたのだが、
私にとって、
なぜか縁のなかった一冊。
やっと読むことができた。
期待以上にオモシロイ。
なぜ、
もっとはやく読まなかったのかと今更ながら後悔。


84年の作品だから、
もう20年以上も経っている。
この文庫本(99年)発売に際して、
あとがきで近況が簡単に綴られてはいるが、
現在の著者の姿を知ることはできない。
しかし、
それを割り引いても読む価値のある本だと思う。


なんとも味のあるトボケタ容貌、
接した人は誰もがボーヨーとしてとらえどころのない人物だと評するキャラクター、
かなり普通じゃない経験を書いているはずなのに淡々とした文章。
そのギャップが味わい深い。


著者は、
ビニ本登場以前のエロ本を『(略)愛のつまった穴ボコを、
いつかはパカッと見せます。
きっと見せます。
と言いながら絶対見せることのない永久予告篇だった』と書いている。
その時代を経験している中年の私は思わず頷いてしまった。
上手い。


彼と交流のある人物も、
荒木経惟、
南伸坊、
赤瀬川原平etcと一癖も二癖もありそうな人ばかり。
しかも、
この文庫化に際しての解説は花村萬月。
うーん、
そうきたかぁ。
もしかしたら、
伝説のエロ本編集長は大人物なのか?

著者は、
西原理恵子の「まぁじゃんほうろうき」にも登場している。
私は、
そこで描かれている著者はかなりデフォルメされていると思っていたのだが、
本書を読んだ後、
もしかしたら等身大に近いのではと思い直してしまった。
興味のある方はそちらも読んでみたらいかがでしょうか。
かなりいい味出してます。
素敵なダイナマイトスキャンダル

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