機械工作法のテキストとして秀逸

私はこの本を学校のテキストとして使っています。
さまざまな工作機械の書物があるなかで、
内容が多岐にわたっており、
また、
内容が浅からず、
深すぎず、
偏りすぎずのちょうどよいポイントをついています。
特に切削、
研削加工に関しては秀逸で切削理論、
表面粗さ、
工具寿命など最低限必要な理論を押さえていながら、
わかりやすく記述されています。
本書で使われたと思われる表現や図が他のさまざまなところで引用されていることも本書がテキストとして良書であることを裏付けています。
あえて学問書として一般論で記述する一方で、
プラスチック加工など近年必要とされる加工技術を押さえた点も興味深く、
わずか数年で廃れるものではなく長期的に愛用できる書物を目指したように感じられます。
また、
あらゆる単語に英語表記を併記した点も好感がもてます。
しいて、
問題点を挙げるならば、
辞書やテキスト的に用いるには良書ですが、
練習問題、
演習問題を少し充実すれば読者が考えるきっかけとなり、
いっそう機械工作への理解が深まるように思われます。
いずれにしても大学、
高専などで工作機械の基礎知識を提供するテキストとしてはうってつけの一冊ではないでしょうか？