グンマー

健次郎の勧めで、
瞬は高崎で井河と対戦する。
しかし何なのだ、
これは。

栃木の人たちを真っ白く描いていた時点で、
脳裏をよぎった嫌な予感は当たってしまった。
健次郎のいた雀荘は善良な人たちばかりだが、
そこ以外はグンマー（群馬の黒い部分のみを取り出したもの）じゃないか。
最近ネットも書籍もグンマーブーム（以前近代麻雀で作画を担当していた井田氏の作品もある）だからって、
来賀氏･嶺岸氏がそれに便乗してはいかん。
瞬が熱海へ行くきっかけとなったＤＶの旦那までいる。
瞬を逆恨みしているだけならまだいいとしても、
ご丁寧にやくざだったという肩書きまで付いている。
やくざならやくざらしく組織で機会を狙ってろよ。
この旦那のせいで、
瞬は生爪を一つ失う羽目になる。
すぐに旦那以外のアウトローたちは瞬をマンセーし出したが。

このアウトローたちも健次郎と同様、
白くなるように描いていけば、
群馬の白さを表現したことになるという作者の勘違いからそうなったのだろう。
健次郎は群馬出身ということになっているようだが、
母親に置き去りにされ父親からＤＶを受けていたらしいということは明らかになっている。
そんな家庭の出身なら、
生まれ故郷に留まりはしないのではないか。
いつか抜け出す機会を窺っていたとしても。