豆サイズでも造りは妥協なし

まず、
刀剣制作の伝統の流れを汲む「肥後守」を携帯電話ストラップにしてしまおうという「遊び心」を評価したいと思います。


サイズは「ミニチュア」ですが、
基本的な造りは中〜大の製品とまったく同じで妥協はありません。

商品説明に「割込」の記述はありませんが、
刃面の光沢から割込みが施されていると推測できます。

これは、
材料の段階で利器材と呼ばれる多層鋼板を使用することで、
どんなサイズでも作ることが可能になったものと思われますが、
そのために刃厚は大きなものと変わらず、
刀身の大きさに比べ非常に分厚い印象を与えます。
刃先の角度も少し大きいようです。

ただ、
峰に打ち抜き加工の後が残るなど、
細かい部分の処理は十分とはいえません。


気になるカシメの硬さですが、
開ききった時にしっかりと止まり使いやすい反面、
収めたときにはゆるく、
握りから刃が簡単に滑り出てしまいます。

これでは、
持ち歩く際には危険ですので、
開かないようにする工夫が必要でしょう。

このため、
星はひとつ減らしました。


なお、
私は外からサイズの合うビニールチューブをはめ、
ケースのようにして固定することにしました。

自分で研ぐことで切れ味を増したり、
「育てる」余地があるのが肥後守の醍醐味なら、
こういったことも肥後守らしいと言えるのかもしれません。