内なる世界への実践的手引書

知人に勧められて購入したＣＤ付の本が良かったので、

本格的に著者の本を読んでみたいと思っていた。


評価の高いレビューに
「著者への依存を招きかねない記述が多い」という辛口の批評があったので、

あえて２冊目に本書を選んだ。


読んでみると、
「依存を招きかねない記述」は、
どこにも見当たらない。


「修行にはマスター（指導者）が必要」だと、
著者が繰り返し言っているのを、

「依存」と、
とらえ違いしたのだろうか？

何をするにも指導者は必要だ。
当たり前のことだと思う。


また、
同レビューの「自らの権威を高める記述は……」という指摘も、

私には、
著者が普通に自分の経歴や体験を語っているだけに思える。


いずれにしても、
辛口レビューのおかげで、

良い本に出会うことができたので、
感謝している。


ヒマラヤで修行し、

意識の究極段階である「真のサマディ」に到達したという著者は、

インドでは高名な方らしく、

インド元首相の表敬訪問を受けたり、

最高指導者の称号「マハ・マンドレシュワリ」を授かったりしている。


「ヨグマタ」というのは、

「ヨガの母」という意味らしい。


本書は、
「真のサマディ」に到達した著者が、

「内なる真理に出会い、
自由に生きる道」を指し示した
実践的な手引書である。


「サマディ」という聞きなれない言葉は、

日本語で「三昧（ざんまい）」という意味だそうだ。
（75）

なんとなく仏教哲学を連想し、

難しい理論が展開されるのかと思いきや、

本書は拍子抜けするほど、
平易な日本語で書かれている。


例えば、
こんな具合だ。

「本書を読むことで、

あなたがこれまで抱いていた、

悩みや不安の正体が見えてくるに違いありません。
（略）
内なる深い井戸の奥底から真理を汲み出して、

生きることが楽になり、
自由になる、