出来れば、★4〜5つ付けたいけれど

珍しく1曲目はアップテンポな明るい曲ではなく、
『Tension』と同じオープン・チューニングかと思われる厳かな雰囲気で幕を明けます。
リバーブの聴いたサウンドは期待感と緊張感を喚起させます。

次は、
最近のアルバムでもオープニングを飾るようなロック。
ドラムでいうバス音を効かせた、
DON ROSS系のサウンドですが、
メロディがちょっと弱いかな。

お次は『日曜日のビール』と『DREAMING』を合わせたような、
ほのぼのした押尾流癒しサウンド。
『Marble』という曲はタック・アンドレスのようなウォーキング・ベースのフルアコ・サウンド。
今後の新境地を感じさせます。

全体的にアップテンポな曲と、
しっとりとしたアコギのバラードが半々といった構成でバランスは良いのですが、
4、
5回聴いてみた個人的な感想としては、
うーん、
特に印象的な曲が無くて、
どの曲が1番好きかと聞かれても正直困りますね。

リズムが同じで似た曲が多いのと、

昨今のこの奏法がどうもメロディを掻き消してしまい、
歌のバッキングのように聴こえてしまう物足りなさがあります。

何年ぶりかのオリジナル作品とのことで、
かなり期待はしていましたが、
やはり最近の押尾サウンドからは脱却出来ておらず、
10年前のような、
口遊める晴れ晴れとした空が似合う作品はもう出来ないのだろうかと、
歯痒い思いでCDを仕舞いました。

人それぞれだとは思いますが、
昨今の作品がピンときていないのであれば、
今作も同じような印象を受けると思います。
今回も、
このアルバムタイトルにもありますが、
『パンドラ』という希望は感じることは出来ませんでした。