やはり成田亨さんは天才だったと認識させられます。

富山近代美術館で、
７／１９土より、
成田さんの美術展が始まりました。

本書はその目録であり既に販売されていました。


かつての画集掲載作が全部掲載されているか、
チェックした訳ではないのですが、
第一期ウルトラ、
ヒューマン、
バンキット等
特撮作品は多数載っていますし、
９０年代の創作もかなり数多く載っています（恐らく初掲載）ので、
成田亨さんの画集としては、

決定版と言って良いと思います（厚さが３５ｍｍも有ります）。


高額ですが、
興味の有る方には「購入して絶対に後悔はないですよ」、
と申し上げられるかと思います。


【余談・美術展に関して】
本書の掲載点数が５１５点、
これに対して美術展の展示点数が７００点以上も有りますので、
約１８０点の差が生じます。


その１８０点の中、
すなわち美術展では驚く事に、
スペル星人の原画（鉛筆？で短時間で描いたという）が展示されていました。

「（実相寺監督の要望が）私のウルトラ怪獣に対する姿勢にそわなかったので、
ろくずっぽデザインも書かずに高山さんに依頼した」
と成田亨画集ウルトラ怪獣編(朝日ソノラマ)に書かれていましたが、
書くには書いたデザイン画がちゃんと存在したのだ、
と初めて知りました。

ただし、
大抵デザイン画の右下にある「Ｔｏｈｌ Ｎａｒｉｔａ　」のサインは有りませんでしたし、
画の右端に折り目が有ったり、

「気乗りしないで描いた」のは本当だったんだな、
と伺わせます（でも捨てずに残して下さっているところはさすが）。


残念ながら、
上記デザイン画は本画集には未収録です。


その他、
かつてのＭＪのＶＨＳやＬＤのジャケットに使われた原画も非常に大きい事も知る事が出来ました。

とにかく成田さんの創作が立体物(彫刻他)も含めて並んでいますし、
松竹「この子を残して」の撮影セットを再現した「特撮撮影ジオラマ」等
盛りだくさん、
更に「初代マンのグビラだけで４画、
ウーが３画、
展示されている」と言えば、
この美術展の凄さをご理解頂けるのではないか、

と思います。