あらゆる組織の経営にも活用できそうな良書！

病院の様々な職員を巻き込みながら、

『エクセレントホスピタル』を作り上げていく様子が、

具体例も交えながらとても詳しく書かれています。


米国で病院経営の本としては異例の３８万部突破も売れたのは、

病院だけでなく民間企業や自治体の経営にも活用できそうなほど、

普遍性の高い内容だったからでしょうね。
　

訳者の鐘江さんのあとがきがすごく印象に残ったので、

一部抜粋したものを転載しておきます。


『病院にとっての「経営力」とは何でしょうか。

　・診療報酬の改定に対応することでしょうか？
　・「神の手」を持つ外科医を獲得することでしょうか？
　・受診する人たちを「患者様」と呼ぶことでしょうか？
　・見栄えの良いホームページを作ることでしょうか？
　
　どれも大切なことですが、
どれも本質ではありません。

　医療は「人」が「人」に対して直接サービスを提供する数少ない産業です。

　また、
全費用のおよそ半分を人件費が占める、
極めて労働集約的な産業でもあります。

　したがって、
病院経営の本質は、
サービス面でも金銭面でも「人」にあります。

　本書で提唱しているように、

　良い人を採用し、
正しく育成し、
優れた人に長く働いてもらうこと、
これに尽きます。


　職員を重視するということは、
職員を甘やかして楽をさせようということではありません。

　正しい行いをして高い成果をあげている人を正しく評価し、
褒め、

　さらなる成長の機会を与えることによって、

　良いスパイラルに導いていくことが大切なのです。
』

　ここには様々な原則に基づいて病院改革を行う事例がありますが、

　コーチングはそれを現場で実践していく上での潤滑油として、

　とても有効に機能するのだなと感じます。

　患者にとって、
職員にとってもより良い病院を作り上げていく、

　この本にはその大きなヒントが隠されていると言えそうですね。