全曲盤の映像における、トスカの歌唱は今だにこれが最高かも。

カラスは第二幕のみの映像しかないのが残念ですね。
でも殺戮シーンの迫真性はあちらに譲るにしても、
このテバルディの
演唱もその圧倒的な美声も含めて、
決して劣るものでは無いと思います。
個人的にはこの役はドラマティック・ソプラノと繊細なリリックの両方の要素を兼ね備えていないと、
テノールが優れている場合影が薄くなってしまう非常に難しい役のような気がします。
現にドミンゴの2種の映像では明らかにドミンゴの方が目立ってるし、
パバロッティの物も同様でした。
彼等に対抗しうるフレーニやカヴァリエの生の映像が存在しないのもドラマティックの要素が足りなかったせいではと思っています。
レナータ・スコットがまだ太っている頃だったら良いものが残せたのではと思いますが、
その頃の彼女は映像自体がやはり日本でN響とやった椿姫とルチア位しか残っていないので存在しないのでしょう。

何故か訳のわからないアンチの多いネトレプコはようやくMETの昨シーズンの後半でこの役をやってくれた様です。

急遽だったため万全では無かったようだったけど、
部分的に映像で見たかぎりではやはりオポライスやヨンチョバより、
数段引き込まれるものがあった上、
夏のショーンブルグのコンサートでのアリアは更に良かったので、
早く全曲の映像を出してくれないか期待しています。
音も映像もオケも酷いこの商品が今だに一番　[トスカの演唱に限ってですが} では悲しいです。